views
1957
旅のお供本 岡野八代
2011.08.19 Fri
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. タキコさんの幻想的なシルクロードの旅、広大な砂丘、夜行列車。想像するだにうらやましい。
まだ見ぬ異郷の地という表現にぴったりですね。
そんな旅行とはあまり縁のないわたしですが、6月末から7月にかけて、わたしにとっての第二の故郷、カナダのトロントに行ってきました。
ちょうどトロントはプライド週間にあたっており、さらには、サンダース宮松敬子さんとそのお仲間とご一緒する機会に恵まれました。
敬子さんは、長い間、トロントを中心としたゲイ・レズビアンたちの権利運動とその支援活動を取材され、『カナダのセクシュアル・マイノリティたち――人権を求めつづけて』を公刊されたフリー・ジャーナリストです。敬子さんがカナダから発信される情報については、是非こちらをご覧くださいませ。
今回は、トランス・ジェンダーの人たちが中心となった、トランス・マーチ(金曜)、
土曜日は、レズビアンたちが中心となる、ダイク・マーチ(これには、わたしも参加して一緒に歩くことができました!)、
そして、ダウンタウン中が見物客で埋め尽くされる、プライド・パレード(日曜)について、トロントの様々なコミュニティが人権問題に取り組むさまを中心に、敬子さんとそのお仲間から多くのことを学びました。
ただ、多くの市会議員がプライド週間に参加するなか、パレードに参加することを拒んだトロント市長ロブ・フォードに象徴されるように、トロント市も保守化の波に晒されているようです。
いくらなじみのある街とはいえ、やはり海外に出ると新しい情報に触れ、気分も高揚します。
しかしその前に、ながーいエコノミーの空の旅をなんとか乗り切らないといけません。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.
そこで、気分がまぎれる本をまず空港で購入するのが、わたしの空の旅の始まり。
今回は、北尾トロ『怪しいお仕事!』、一田和樹『檻の中の少女』を購入して、エコノミー症候群と格闘。
トロさんの本は、「裁判長!」シリーズから、見かけるとつい、フラフラっと手に取ってしまうようになってしまいました。身近に存在するなんとも奇妙な人々を、ユルーい言葉で鋭く表現、というのがトロ本、というところでしょうか。
c
『檻の中の少女』は、目当ての『鬼畜の家』(第三回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞獲得)が見当たらず、同じ新人賞を獲得した作品とのことで購入しました。
どちらも恐ろしげなタイトルですが、『檻の中』を選んでよかったかな。
ネット世界のハイテク技術を駆使する犯罪から一転、タイトルに込められた意味がページ毎に明らかにされていく後半では、ちょっとした純文学タッチも味わえます。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.さて、今回の旅にはもう一冊、店頭で並んでいた、鎌田慧『原発列島を行く』を購入せずにはいられませんでした。
日本を原発列島と化してしまったのは、民主主義の不在にある、というのが本書のメッセージ。
六ヶ所村の核再処理工場の不条理、原発に依存させられ、疲弊していく街の様子など、背筋が凍るホラーどころではない、深刻な日本社会の暗部が淡々と描かれています。
トロントのプライド週間を体験しながら、どこにもプライドを見出せない日本社会に、なんとも暗い気持ちになったカナダの旅でした。
次回「世俗化の行方」へバトンタッチ・・・・つぎの記事はこちらから
カテゴリー:リレー・エッセイ