2012.02.18 Sat
【打越さく良の離婚ガイド】NO.1-6 弁護士は必要か
6 離婚の調停や裁判は1人でできますか。
弁護士をつけなくても大丈夫でしょうか。どんなときには依頼したほうがいいでしょうか。
◎ 代理人をつけなくてもOK
調停も訴訟も,必ず代理人をつけなくてはならないことはありません。代理人をつけずに自分で対応する方もいます。
訴訟よりも調停の方が,代理人をつけない方が多いようです。調停委員を介して話し合いを進めていく調停段階の方が,法律の専門知識がなくても対処できる場合が多いからでしょう。
しかし,代理人をつけなくても,法律や裁判例などは確認した方が良いですから,適宜法律相談に行くことをお勧めします。
訴訟となれば,裁判所に法的な主張書面と主張を裏付ける証拠を提出していくことになりますので,万全の準備をするには,代理人をつけたほうがいいでしょう。代理人をつけないのであれば,法律相談に行ったり,法律書を読んだりして,十分な準備をしましょう。
しかし,やはり法律や家裁実務に精通して周到に準備をするのは大変です。訴訟であれば,和解や尋問以外の期日には,代理人をつけていれば,代理人だけ出席するのが通常で,本人が平日裁判所に赴く必要もありません。時間的負担からして,代理人をつけることをお勧めします。
◎ こんなときは代理人を
特に代理人をつけることをお勧めしたい場合としては,たとえば,あなたがDVを受けて避難していて,連絡先を秘密にしたいけれども,早々に離婚の調停・裁判をしたいとき。
そんなときは,代理人をつけて,代理人が相手方・被告からの書面を受けたり,代理人から相手方・被告に対して連絡してもらったりするのが良いでしょう。
連絡先を秘密にしていなくても,相手方・被告から直接連絡がくると,恐怖心がつのるようなときにも,代理人がつけば,気持ちが楽になりますね。
財産分与を請求するにあたって,財産のたくわえた経緯が複雑で,証拠を整理して主張するのが大変な作業になる場合もあります。そのようなときも,代理人に依頼するのが良いでしょう。
慰謝料や親権などの点でも,争点が複雑になり,主張反論が難しい場合には,代理人をつけたほうが,抜かりなく準備ができます。
◎ 相手方に代理人がついたら
相手方に代理人がつくと「こちらも代理人をつけなくては不利になるのでは!?」と途端に慌てる人もいます。代理人の有無で有利不利は決まりませんので,安心してください。
相手方が感情的になっていて話し合いが進展しなかったのが,代理人がついたおかげで,淡々と進行するようになり,代理人をつけない一方にも良い展開になることも少なくありません。
ただ,相手方に代理人がついて法律的に周到に主張をまとめていると思うと,落ち着きませんよね。特に訴訟では,相手方の主張に対等に反論するために,いわば「武器対等」という意味で,相手方に代理人がついたら,こちらも代理人をつけたほうがいいでしょう。
◎ お金が心配なら
代理人に依頼したくても,お金が心配…。弁護士を見つけたら,率直に代理人を依頼した場合の費用の見積もりを頼んでみてはいかがでしょうか。一括払いは無理でも,分割払いに応じてくれる弁護士もいます。
あなたの収入や資産が基準にあてはまるなら,民事法律扶助を利用することができます。
基準は,日本司法支援センター(法テラス)の業務方法書別表3に記載されていますが(http://www.houterasu.or.jp/cont/100179784.pdf),地域によって若干違いがありますので,具体的には,最寄りの法テラス地域事務所に問い合わせて確認すると良いでしょう。
そう言われても弁護士を知らない…。次回は弁護士の見つけ方を取り上げます。
カテゴリー:打越さく良の離婚ガイド
タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 弁護士 / フェミニズム,家族,離婚, 打越さく良,エッセイ,離婚ガイド,親権
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