ミニコミ図書館に『函館・道南女性史』20号が収録されました。
道南女性史研究会(函館市)が発行する当雑誌は今号が最終号となります。

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1975年の国際婦人年をきっかけに道南でもさまざまな集会が開かれ、その中で女性史の掘り起こしが話題となりました。
1976年4月、歴史に関心を持つ女性たちが集まり、道南女性史の掘り起こしを進めることを目指す道南女性史研究会が設立されました。
翌77年には創刊号となる 『道南女性史研究―明治生まれの女たち―』が刊行されました。


創刊号の「あとがき」では、清野きみさん(のちに北海道教育大学名誉教授、1927 ~2019)がこのように記しています。

「函館は文明開化のマチ、そしてわが国の漁場産業の足場となつていたマチ、女たちの暮しもまた、此の背景と分かち難く結びついて根ずいてきた。しかし此の小冊子では、充分に表現し切れなかつた。これは、ひとえに、「何も彼も、始めての経験」であつたからである。女の歴史、誰もがいうこの言葉の、何と深く、重いことか。(中略)読んで下さつた方々の心に、函館の女たちの生きざまが、少しでも傳わつてくれたらと願わずにいられない。また、これを機会に、書きたい人が生まれ、語つておきたいことがあるという声のあがることを期待している。「始めての経験」が歴史の鐘に変わるように。」(創刊号「あとがき」)


その後、同研究会は48年の長きにわたり、女性たちの暮らしや経験を掘り起こしてきましたが、会員の減少や高齢化を理由に20号の刊行をもって、その活動を終えることになりました。

「女性の歴史に対する関心がまだ充分とは言えない中、聞き書きを通じて私たち自身にも新たな発見があり、今書き残しておかなければ歴史の闇に消えてしまうかもしれない女性たちの「生と性」を何とか残したいという思いでここまで来ました。過去を知り過去から謙虚に学ぶという姿勢をこれからも忘れずにいたいものと思います。」(20号「はじめに」)


2024年7月には長年に渡る活動の功績を讃え、函館市から感謝状が贈呈されました。
ミニコミ図書館では創刊号から最終号となる第20号までを閲覧することができます。ぜひご覧ください。  道南女性史研究会『道南女性史研究』