選択的夫婦別姓制度をめぐって、ますますおかしな提案が出てきています。報道もいまひとつ切れ味が悪く、残念です。
この問題はかなりややこしいので、背景を整理して共有しないといけないと考え、日本の姓と家族について基本から考えるエッセイを書きました。
夫婦別姓について議論する前にわかっておいていただきたいことです。
前編は https://gendai.media/articles/-/146597
後編は https://gendai.media/articles/-/146600


***(御許可を得て、見出しとタイトルを転載させていただきます)****
オンライン現代ビジネス2025.02.10掲載記事 
落合 恵美子
京都産業大学教授/京都大学名誉教授/家族社会学

夫婦別姓をめぐる議論が盛んになって久しい。しかし、そもそも日本の歴史のなかで「姓」とはどのような位置付けをもつものなのか、「夫婦同姓」や「夫婦別姓」がそれぞれどのような家族の在り方と結びつくのか……といった根本的な議論がされることはあまりない。長く家族制度を研究してきた京都大学名誉教授の落合恵美子さんが、日本の「姓と家族の伝統」について前後編に分けて解説する。

【前編】戦後日本の「夫婦同姓制度」は、じつは「中国化」と「アメリカ化」の産物だった…日本の「姓と家族」の伝統を解き明かす https://gendai.media/articles/-/146597

【地図】ユーラシア大陸の双系的社会と父系的社会、および後者から前者への影響(落合氏作成)

・妻の親は家族ではないのか?
・明治初期の「家制度」の実態 / 家制度では5人に1人の男性が他家に入った
・日本の「姓」とはなんなのか /「氏」は夫婦別姓
・ユーラシア大陸の家族と親族
・「家」の成立と「名字/苗字」

【後編】日本人の「家族観」を縛る「戸籍」は、なぜいまの形になったのか? その「意外な経緯」をたどる https://gendai.media/articles/-/146600
・近代日本の姓とは何か
・夫婦同氏制の誕生と「西洋化」
・家族制度の「アメリカ化」 / 核家族単位の戸籍制度
・世代間のつながりも見えない / マイナンバーの出番
・歴史にヒントを見つける