2014.07.31 Thu
慰安婦特集に寄せて、以下の本の紹介がB-WANに届けられました
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編者の鈴木裕子氏は、著者の社会詠について、「深山さんが「ああ『慰安婦』と詠うとき、踏み躙られた人間の尊厳、強いられ続ける苦難苦痛の生活を負わされた女性たちの姿がわたしたちの胸に深く刻みつけらます。が、そのかなたに何らの責めを負うことなく逝った天皇の人間としての不誠実、無責任の姿が字間に強く投影され・・」と解説しているが、尹氏への深い共感は、己が知らずに協力を強いられた天皇制国家に対する心底からの怒りとして発露される。著者の気迫、老いてさらに研ぎ澄まされるそのことばの迫力に、読むものは圧倒される。
≪拉致されて 軍の性奴隷とされし女性(ひと)ら 死にたる兵より惨し その一生(ひとよ)≫
≪「昭和の日」大虐殺は靄(もや)の中 「ヒトラーの日」ドイツにはなし≫
≪戦後識りし強占の歴史 追悔の涙重ねて観る<冬のソナタ>≫
≪<韓流>と熱き民衆も識れ 占領下 日本の惨き朝鮮支配を≫
≪天皇の戦争責任と「慰安婦」は 権力の禁句(タヴー) 不義は戦後も≫
≪天皇の戦争責任も「慰安婦」も 蔽い隠して戦後六十年≫
≪ムッソリーニ殺され ヒトラー自殺し 天皇は擬されぬ「平和天皇」≫
≪天皇制残す根拠を言い給え 何かよきこと民衆(たみ)になせしか≫
≪天皇の戦争責任押しなべて 黙(もだ)すマスメデイアの大き犯罪≫
≪戦争に与(くみ)せしわれら罪業(つみ)ありて 戦わぬ意志<九条>重し≫
この歌集に載せられた一句一句から、読み手は事実を知らされ、そこから思考へといざなわれる。今、多くの人に知ってもらいたいと思う一冊である。(志水紀代子)