2010.06.23 Wed
「女性と仕事総合支援事業(女性と仕事の未来館全事業)」の存続を求める声明
私たちは、今回、行政刷新会議による事業仕分けで提言された「女性と仕事総合支援事業」の廃止の結論は、結局は、働く女性、働きたい女性が健康でかつ、その能力を十分に発揮しようとする意志とその支援を否定しかねないものと考えます。
女性と仕事の未来館(以下「未来館」という。)は、平成12年の開館以来、着実に実績を重ねており、来館者はこの10年間でほぼ倍増し、直接の利用者はもちろんのこと、女性団体等はじめ今後の更なる発展を期待しておりました。
また、全国の女性関連施設等からは、こと労働問題に関しては、全国研修会を通じての人材育成に貢献していることはもとより、女性関連施設、団体からは未来館で実施されている先駆的事業や各種資料等の情報提供が大いに役に立っているとの声を多く聞くところです。
このような現実に対して、事業仕分けの評価者の方々は、一方的な論理展開で結論を出しているように思えてなりません。しかも評価者は女性1人、男性8人という偏った構成で女性問題が判定されました。
これは、所詮我が国における働く女性や働きたい女性が抱える問題に対しての現実認識の乏しさから生じるように思われます。我が国の経済発展には女性の活躍がなくてはならないのです。つまり、「女性の活躍なくして成長なし」の理念に立った行政を強力に推進することが不可欠なのです。
ひるがえって、女性労働者の現実は、女性の半数以上が非正規雇用であり、また、未だ第1子妊娠出産により七割の女性が退職しており、貴重な労働力が失われているのです。また、管理職に占める女性の割合についても先進国のみならず途上国にも劣るという現実を改善することが急務となっています。
私たちは、未来館が果たしている役割、つまり、女性の歩んできた労働の歴史を後世に残すとともに、地道な支援事業を着実に実施していることに期待もしておりますし、また、未来館は女性の職業自立を果たすためのシンボル的な存在でもあるのです。国はこれらの事業をむしろ今後更に充実、発展させるべきであり、廃止はもとより縮小や改悪は断じて許されるものではないと考えます。
このような趣旨を踏まえ、国の責務として女性の職業自立を図るための一層充実した施策を展開する事を望みます。
平成22年5月27日
代表団体
高齢社会をよくする女性の会理事長 樋口 恵子
財団法人女性労働協会会長 渥美 雅子
関係各位 殿
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