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「第20回男女共同参画全国都市会議inくまもと」開催報告 小田川 望
2010.11.29 Mon
去る11月18日(木)・19日(金)、熊本市の崇城大学市民ホールで「第20回男女共同参画全国都市会議inくまもと」(http://www.wakuwakumirai.com/)が開催されました。平成2年に熊本市が15都市に呼びかけて第1回会議を開催し、今回は20回目の開催となります。当初、行政職員のみが参加しての会議だったのですが、回を重ねるうちに一般からの参加もできるようになりました。今回は企画段階から市民が熊本市と協働で参加する形で準備が進められました。市民スタッフは昨年12月に公募によって募集され、分科会(18日)、交流会(18日)、全大会(19日)の企画、準備、運営に携わりました。
18日には、オープニングアトラクション、内閣府男女共同参画局の報告の後、株式会社東レ経営研究所特別顧問の佐々木恒夫(ささき つねお)さんから「仕事も家族もあきらめない」と題してご講演をいただきました。自閉症の長男とうつ病の妻をかかえても、仕事に家族に全力投球で向かい合ってこられた佐々木さんのお話は、時に涙を誘うものでした。とくに、家族の困難に共に力を合わせて立ち向かってこられた娘さんとのやり取りがとても心に残りました。
この講演の後に3つの分科会に別れて事例・体験発表と活発なディスカッションが繰り広げられました。各分科会のテーマは以下の通りです。
第一分科会:女性の元気で地域を変える~いろんな生き方にチャレンジ・トライ~
第二分科会:めざそう、やすらぎのある社会の実現~ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)
第三分科会:開け!ガラスの天井~女性の政策・方針決定への参画~
19日には全体会で分科会でのディスカッションを踏まえ今後の方向性を探る熱い議論が交わされました。熊本大学法学部教授の鈴木桂樹先生と熊本県立大総合管理学部教授の今里加奈子先生による非常に分かりやすいコメントが議論を有意義なものにしてくれました。議論に上った課題を簡単に示します。
○地域づくりで活躍する女性たちのパワーは社会を変えるために不可欠なものであるが、そこにもう一歩、男女共同参画の視点を取り入れて、商工会、組合、自治会などの組織のトップに女性が就いて、生活者である女性の視点で政策決定の過程に入っていくことが大切である。
○男女共同参画は一部の特別な人の問題ではない。日々の些細なことに向き合っていく中で出合う壁を超えようとするとき、男女共同参画を身近なものとして捉えていく必要がある。少子高齢化が進み労働人口が減少する昨今、ワーク・ライフ・バランスはすべて年代の人に必要であり、男女平等の観点だけでなく労働力確保や経済的効率向上などの観点からも今が推進するチャンスである。そのためには、どのような社会を作り上げたいかというビジョンを明確にし、雇用、労働、子育て、社会福祉等一体的な政策を掲げていくことが必要になってくる。
○これは「男性問題」である。これまでの男性の作り上げた社会に女性がキャッチアップした結果、高齢者、子どもなど生活者にとって果たして本当に豊かな社会に近づいたのか?これを問い直すときが来ている。
全大会の後の閉会式では熊本の「くまモン」と「ひごまる」、そして来年開催地の姫路市の「しろまるひめ」がしっかり盛り上げてくれました。(写真参照)
今回、私は市民スタッフとして参加させていただき問題意識を持って熊本で活躍する多くの方々と出会うことができました。また、初めての行政との協働事業参加となりました。この貴重な出会いと経験を誰にとっても住みやすい、生きやすい社会へ近づけるための一歩につなげていきたいと思います。

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