2012.08.04 Sat
日時:2012年8月7日(火)~19日(日)〈8/13(月)休廊〉
場所:ギャラリーヒルゲート[1F]・カフェギャラリーヒルゲート[2F]
京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町535
TEL:075-231-3702 FAX:075-231-3750
HP http://www.hillgate.jp/
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夜話市民講座 Bコース 「ヨーロッパで出合ったアートな人たち」 講師:井上廣子
8月11日(土)19:00~20:30 定員40人/要予約・参加費2,000円/茶菓付
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井上廣子 プロフィール
1974年 沖縄で2年間、染・織技法研究
1998年 大阪トリエンナーレ彫刻98特別賞
1999年 ドイツで制作
2003年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
2004年 文化庁文化交流使に任命される
2005年 個展Inside-Out(オットー・ワグナ‐精神病院シアターウィーン・オーストリア)
2007年 アメリカ、クレムソン大学より招聘・制作。日本、ドイツ、 オーストリア、等で制作、個展・グループ展多数。
2008年 Inside-Out(ヒルサイド・ヲォーラム、東京)
2009年 Inside-Out (FOILギャラリー、東京) Paris
Photo(カルーセル・ド・ルーブル、パリ・フランス)
2010年 Inside-Out(ギャラリーヒルゲート、京都)
イノセンスーいのちと向き合うアート(栃木県立美術館、宇都宮)
2011年 Mori(ドルトムンダークンストフェライン、ドルトムント・ドイツ)
Inside-out(アルトテック美術館MUSA ウィーン・オーストリア)
Inside-out({ギャラリープロジェクトルーム,フォトグラフィ} ドルトムント・ドイツ)
Film4arts(ドルトムントクンスラーハウス、ドルトムント・ドイツ)
阪神淡路大震災の後、海岸に置かれた病床のようなベッドの写真を見て心が騒いだ。この地で亡くなった人々、その欠落のなかで生きている人々の存在が海を背景にして伝わってきた。人間の営みというにはあまりにも畏れ多い一人一人の真実(リアル)が海という悠久なもののなかに置かれている。作家固有の物語がそこには含まれているようにも見えた。
以来15年余。井上廣子は何を考え、如何に修練を積み重ねてきたのだろう。自己の美術家人生を文明に対峙させた女性の現在を知りたいと思う。この間グローバル化した文明は一人一人の喜怒哀楽も、ささやかなやりとりで成り立ってきた共同体をも飲み込みつつ自壊しているかに見える。氏はここに踏み止り、それを引き受けるのだろうか。それが知りたい。
井上廣子は今どき貴重な、人間の襞から社会を掴もうとする骨太なアーチストだ。氏の今後の道程を注意深く見ていたいと思う。
北川 フラム(大地の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭総合ディレクター)
〈作家より〉
2011年3月11日、テレビで放映された東日本大震災の情景を忘れることが出来ません。津波が全ての物を、事を押し流し人々が営々と築いて来た生活が一瞬の内に水没し、生命がまるで木の葉のように流れて行ったのです。
この映像は3月11日以来現在迄脳裏に蘇ります。
私は日本とドイツに仕事場があり、日本とドイツを往来しながら作品制作をしています。
作品〈Mori:森〉では、アジアとヨーロッパの森を通して、自然の驚異や圧倒的な力、自然の光と影、生と死の循環を表現したい。
作品すべての森は、人間との関わりにおいてそれぞれ固有の物語を持っている森です。
例えば、日本の東北の森であったり。あるドイツの森はライヒツバルトと呼ばれる場所で第二次世界大戦終戦間近、イギリス軍の落下傘部隊が降下、19歳~23歳位の若い兵士達がドイツ軍と戦った森です。現在森は静寂につつまれ、毎年木々の葉は落葉し続け、乾いた葉が降り積もりドイツ軍が掘った濠の残骸がそのまま苔むしてあちらこちらに残されています。
私達はどの様に自然と共存し、次代にどの様な種を残してゆくことが出来るのか、森の歴史と記憶を通して未来へのメッセージを発進したいと思います。
井上 廣子
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