2009.10.14 Wed
猫がとくに好きなわけでもなかったのに、ひょんなことから野良猫を飼い始めた著者の日常を綴ったエッセイ。著者の語る過去の記憶、彼女独特の生きるうえでのこだわりが何とも魅力的である。
著者がこれまで出会った生と死の物語が語られる本書を読んでいると「生きることは失うことと同義」であることを実感する、と文庫版の解説で角田光代がいみじくも記している。それは著者の身近な親類や友人や猫のことであり、彼女が体験した同時代の文化である。 それとともに著者独特のこだわりにも惹きつけられる。野良猫との交流が深まる中で、名付けを拒み一般名詞(白猫を「しろねこ」、野良猫を「のらねこ」)と呼ぶことで、「猫にとりこまれたくないという必死の抵抗」をする彼女は、おもわず仔猫のことを「ころ」と呼んでいる自分に気付き「一線を踏み越えてしまった」と記す。またファミリーレストランを愛用する著者は、「〈ファミリー〉が外食するために作られた、ファミリーレストラン」で、その一部にはなりたくないと、一人でワインは飲んでも、食事をしないというルールを守り続けている。
わたしの独断と偏見でいえば、「猫好きか、シングルか、60年代生まれの読者」にとくにお勧めの一冊である。 (lita)
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