2012.03.05 Mon

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怪物はささやく

訳者など:パトリック ネス シヴォーン ダウド ()

出版社:あすなろ書房

 故シヴォーン・ダウトのアイデアを膨らませてパトリック・ネスが物語ります。  ガンである母親のことで頭がいっぱいなのに、学校ではいじめられてしまってシンドイコナーの目の前に怪物が現れる。それは家の庭にあるイチイの木。こいつはコナーの状況に同情はしない、それどころかコナーに非難めいた問いかけもする。3つの物語を聞かせるからそのあとお前が4つ目を物語れ。それも真実を、と迫る。  読者もコナーもそれがなんのことかはわからない。ガンで苦しむ母親を心配し、そうした沈みがちな雰囲気のためかいじめられているのだから、コナーは同情されてしかるべきなのに、何故?  物語と真実を巡るメタ要素と、コナーが抱える過酷さが重なり、やがて何かが見えてくる。  ウエストールの『かかし』を彷彿とさせる物語。挿絵もいいぞ。

カテゴリー:ひこ・田中の、 子どもの本イチオシ

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