c 本来、学校とは、子どもたちに失敗が許されていて、ダメージにならず、弱点をさらして人から指摘されることで自ら気がつき、試行錯誤しながらリカバリーして成長していく場である。しかし、日本の学校は、未来のために今をガマンし、がんばることを奨励する。「偏差値一元主義」で子どもを振り分け、優勝劣敗主義に徹している学校的価値は、社会へもあふれ出し、…
c タイトルのインパクトは観客を惹きつけて離さない。スカートの下の劇場。いよいよ下(しも)の世界にスポットライトがあたる。卓抜なコピーと、評価も上々。煽情的なタイトルである。上野さんの問いはこうだ。女の自己意識の検証を、男の眼を介さずにやってみるとどうなるか。男の眼が男の関心の角度からだけ切り取る女の身体について、女自身の自己意識のあり方…
c 「51C」とは、1951年度公営住宅標準設計の一つの型の名称である。戦後の焼け野原、町は家のない人であふれていた。1945年終戦を迎え、復興のため政府は、とにかく不燃・積層の集合住宅を建て、家族をその「ハコ」に容れた。「51C」は、現在のnLDK(例えば、2LDK・3LDK)のもとであるといわれている。しかし、この近代社会において、『…
c 「国民連帯率」「社会連帯率」―聞きなじみのない言葉かもしれない。これは、高福祉を支えるため、国民が高負担を合意することを意味する。日本は、これから超高齢社会をどう生きていくか、その行く末を見守り、意思決定していくことは、日本人の課題である。2011年夏、上野さんが高齢者介護の視察研修のため訪れたデンマークは、福祉先進国として高い評価を…