https://www.change.org/stop-menkaikyosei/から

署名ページはこちら →https://www.change.org/stop-menkaikyosei/

私たちSafe Parents Japanは、DV虐待被害の当事者団体です。
様々な活動を行っておりますが、その一つとして、この度、Change.orgで「DV虐待加害者と子どもの面会交流を強制しないでください」という署名キャンペーンを実施することになりました。
別居している親がDV虐待加害者であった場合、裁判所で取り決められた面会交流がDV虐待継続の機会となってしまっていることに焦点を当てたものです。
私たちDV被害者は、別居・離婚後も続くDVに加え、裁判所や社会の無理解という二次被害に苦しんでいます。この国のDVの軽視は甚だしく、私たちは被害者であっても保護されないばかりか、親子という名のもとに加害者と離れることすら許されないのです。

どうか私たちのキャンペーンをご覧ください。そして、賛同のご署名という形でお力を分けていただけるとうれしいです。
もし、賛同人となってくださる方がいらっしゃれば、お手数ですが下記の宛先までご一報ください。

いつも私共の問題に関心を寄せ、ご支援くださっていることに感謝申し上げます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

Safe Parents Japan
safeparentsjapan@proton.me
https://www.safeparentsjapan.net/


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WAN関連記事:「離婚後の子どもの養育について」パブリックコメント12月6日から始まっています! https://wan.or.jp/article/show/10333

*****署名ページより転載↓*****

現在、DV・虐待の疑いがあっても、子どもが拒否しても、PTSDになっても、裁判所によって面会を強制されています。

聞くだけで辛く悲しい「児童虐待」のニュースが絶えません。絶対に防ぐこと、そのために考え、動くことは社会の責務です。
ところが、その反対に、虐待が推し進められている場所と制度があるのです。

それは、「裁判所」と「面会交流制度」です。

私たちは、DV被害者である親と児童虐待経験者による当事者団体です。
この社会問題を多くの方に知っていただき、子どもたちの安心・安全な生活を守るため、この署名活動を始めました。

【面会交流が強制されている現実】
日本では、子どものいる夫婦が別居あるいは離婚をして父母間の協議が整わなかった場合、面会交流調停の手続きを行えば、民法766条に基づきおよそ9割のケースで直接面会が認められています(2019年度 取り下げた件数を除くと、容認・調停成立率は89.7% )。なぜならば、裁判所の方針が「面会交流原則実施」だったからです。その親がDV虐待加害者であるとの訴えがあっても、子どもが拒否しても、さらには子どもにPTSD等の心身症状があるという診断書があっても、「面会交流」をするよう調停で圧力をかけられ、審判で決められ、従わなければ間接強制という罰金が待ち受ける事態が起こっているのです。

【無視される子供の声】
「会いたくない」という子どもの声は、面会交流原則実施の方針の下、過小評価されたり、調査官によって面会の実施に同意するように誘導されたり、さらには同居している親からのネガティブな影響に過ぎないと決めつけられたりすることもあります。

子どもが「会いたくない」という理由は様々です。そして、現在の貧弱な(多くの場合裁判所職員によるただ一度の)子どもの意向調査の体制において、子どもの発した言葉をありのまま受け止めない姿勢は危険です。勇気を出して表明した自らの気持ちを否定される子ども達の失望は一生残る心の傷となりますし、隠れた虐待を見過ごすことにもつながります。

【面会交流を利用して続くDV・虐待】
子どもと同居している親は、別居または離婚してようやくDV虐待の恐怖から逃れられると思っていたのに、今度は「面会交流」という形で再び加害者との継続的なつながりを強要されることになります。助けを求めた裁判所で加害の後押しが行われるとは・・・正に、驚愕の事態です。

・「DVと虐待とは別」?
裁判所では、夫婦間のDVはその他の夫婦間の争いの一つとして矮小化され、面会交流を拒否する理由として考慮されません。しかし、配偶者に暴力をふるっていた親は、子どもにとって安全な親でありうるのでしょうか。
私たちは「DV=虐待である」と考えます。
配偶者に暴力をふるって心身にダメージを与え、子どものケアに支障を生じさせたり、「同居している親」という子どもの安心安全な「居場所」を攻撃・破壊する行為は、子どもの「希望」や「命綱」を断ち切る虐待に他なりません。

・「夫婦が別れても親子関係は継続すべき」「子どもには父親が必要」?
このような一般論は、健全な親子関係、人間関係を構築、維持できる人の場合です。子どもへの虐待はもちろん、配偶者あるいは元配偶者へDVを行う親とのつながりが、真に子どもの福祉に適うものであるとは考えられません。

【強制された面会交流がもたらすもの】
事件1 2017年1月、長崎県長崎市で、離婚後に2歳の子どもを元夫に会わせにきた元妻が刺殺され、元夫がその後に自殺しました。元妻は、離婚時に取り決めた面会交流のために元夫のもとに行き、被害にあったそうです。以前、夫のストーキングと脅迫メールについて、警察に相談歴がありました。

事件2 2017年4月、兵庫県伊丹市で、離婚後の面会交流中だった父親と4歳の長女が死亡しました。父親が娘を殺して自殺したとして被疑者死亡で書類送検されています。母親によると、婚姻中に経済的・精神的DVがあったそうです。

これらは、夫婦間でのDVがあった事案における面会交流が招いた悲劇です。

「殺人なんて、ごく一部の極端なケースだ」と思われるでしょうか?いいえ、同居中のDV虐待で命の危険を感じたという声は非常に多いです。実は、別居後のDV(ストーカー行為や嫌がらせ、脅迫的な態度を含む)は別居前よりも大変深刻で、よく起こることなのです。また、殺人という表沙汰にならない、面会交流中に起こる子どもへの傷害や性的虐待などのもたらす被害も深刻です。しかし、子どもは親子間の事であるため被害意識が持てず、その実態は把握しづらいのが現状です。

【DV被害者の声】
・「子どもが『会いたくない』と言っても、調査官に『本当は会いたいはず』『お母さんがOKすれば会いたいと言う』などと勝手に理屈をつけられて、『子どもは会いたがっている』という報告書を書かれてしまった。」

・「面会を強制されることで子どもは苦しんでいる。フラッシュバックもある。裁判官や調停委員は子どもを傷つけていることをわかってほしい。」

・「『(DVは)夫婦の問題であって、子どもに直接暴力を振るってない』『子どもらがいる前であなたを罵ったかもしれないが、乳児だから面前DVにはならない』『会わせないと親権は彼になるよ』と言われ、調停委員が悪魔にしか見えなかったです。」

・「娘の前での性行為の強要があったり、『(娘が性犯罪に巻き込まれたとしても)それは女だから仕方ない』という発言がありました。DVを行う相手、犯罪を容認する相手とつながることは恐怖でしかありません。」

※ 私たちに協力してくださっているKids Voice Japanに寄せられた体験談の中から公開可能なものを掲載いたしました(個人情報保護のため加工しています)。なお、上記の声はごく一部であり、公開を希望しない方、また、声自体上げられない方が非常に多いです。

以上のことから、DV虐待などのケースでは面会交流を強要しない仕組みを作り、子どもたちが安全に暮らせる環境を守ってください。そのために、私たちは以下の4点を求めます。

提案1: 面会交流からDV虐待事案をもれなく除外するための具体的かつ実効性のある仕組みを構築してください。

現状の問題点:面会交流原則実施の方針により、本来適切ではないケースにおいても面会が強制される運用となっています。その結果、面会交流は、別居または離婚後のDV虐待継続の温床となっていますが、これを規制する法律はなく、深刻な被害を生み続けています。
DV・虐待は、莫大な社会・経済的コストを伴う人権侵害です。人口が日本の半分であるイギリスでは、DVに関する費用だけで年間11兆円(660億£)の社会的・経済的損失が生じており(参照1)、児童虐待を含めるとこの数倍であることと推測されます。あらゆる観点から社会全体の問題です。
子どもに必要なのは、安心・安全な環境で同居している親と暮らせることです。そして、同居している親の健康と安全が確保されることが、良質な養育には必要不可欠です。別居している親から同居している親へ向けられるDVは、同居親が養育に振り向けるはずの力を奪い、養育の質を損ない、その結果、著しく子どもの福祉を損なっています(参照2)。

提案2: 上記の確実な運用のため、裁判官・調停委員・調査官に対し、DV・虐待と子どもの精神発達について、グローバルスタンダードのプログラムの受講を義務付け、DV虐待に精通した外部専門家と連携した実務を行ってください。

現状の問題点:調停・審判において、裁判所関係者のDV・虐待と子どもの精神発達への無理解による二次被害の声が後を絶ちません(体験談参照)。
DV防止法におけるDVの定義の中に、精神的・性的・経済的・社会的・法的DV(リーガルハラスメント)が明記されることを希望します。
精神的・性的・経済的・社会的DVや虐待には、確固たる物的証拠が残らないことが多いです。さらに、加害者は、一般に、自身の加害や責任を認めない特徴があり(参照2)、家庭外では穏やかな人格者に見えることすらあります。実態を見抜き、DV虐待の有無を判断をするには、DV虐待の被害者支援の経験が豊富な専門家の力が必要です。

提案3: 「片親疎外」理論が誤りであることを、司法研修所で司法修習生及び裁判官、裁判所職員総合研修所で調査官に対し、教育及び周知徹底して下さい。

現状の問題点:子どもが面会交流に消極的・拒否的な発言をすると、その原因を同居親の洗脳や悪影響とする別居親側の主張が見られます。「片親疎外」あるいはそれに類する理論ですが、それは擬似科学でDV・虐待を矮小化するとして、「片親疎外」の言葉は国連や欧州評議会など世界中から何度も使用禁止勧告が出されています(参照3、4)。それにもかかわらず、法制審議会家族法制部会の資料(参照5)、2022年10月に参議院に提出された質問書(参照6)、マスメディアでも使用されており、誤った認識が子どもの福祉に取り返しのつかない害を及ぼしています。

提案4: 家事事件手続法65条に「子の意思に反する判断の禁止」を加え、年齢に関わらず、子どもに面会を拒否する権利を与えてください。また、同条に「子の意思の把握にあたっては、臨床医学的知見を考慮しなければならない」旨記載してください。

現状の問題点:家事審判手続法で15歳以上であれば意向聴取することとなっており、それ以下の年齢でも調査は行われていますが、必ずしもその意向は尊重されていません。調査官の裁量によって原則面会交流とする恣意的な働きかけや解釈も行われ、常に子の福祉が最大限配慮されているとは到底言い難いです。児童精神医学の視点からも、面会交流の強要は子どもを継続的に父母の葛藤にさらすリスクがあり、発達的トラウマ障害など一生続く精神障がいに繋がる可能性があると指摘されています(参照7)。
DV虐待家庭で育った子どもの複雑な心理を理解するには高い専門性が求められます(参照2)。よって、DV・虐待の疑いがあるケースでは、DV・虐待の被害者支援の経験を有する児童精神科医や児童心理士等の専門家による子どもの意思の確認を、最優先してください。 その上で、調停や審判で決められた面会であっても、子どもが拒否したりストレス行動を見せる時は、面会交流の直接・間接強制の対象外であると明記してください。
子どもが意向を表明しない、もしくは調査自体を拒否する場合、待ってください。
障がいなどの事情で意向を表明できない場合及び乳幼児含む調査対象に満たない年齢の子については、実質的な監護者の意見を最優先してください。
今、まさにこの瞬間にも、苦しんでいる子どもたちがいます。

事態は急を要します。

皆様のご賛同を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

※この署名活動の詳細は、国連人権理事会、UN Women及びユニセフへ提出するレポートの資料とする予定です。

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参考文献
参照1: イギリス内務省 “The economic and social costs of domestic abuse”
参照2: 日本乳幼児精神保健学会『離婚後の子どもの養育の在り方についての声明』)(2022年6月25日)
参照3: 欧州評議会『GREVIO 第三次総合報告書』(2022年6月14日)
参照4: 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR) 『国連専門家がブラジル新政府へ女性への暴力と片親疎外の法律を廃止することを求める』(2022年11月4日)
参照5: 法制審議会家族法制部会第3回会議(令和3年5月25日開催)武田委員提出の参考資料:「わが子と離れて暮らす母親アンケート調査結果」26ページ目
参照6: 神谷宗幣「父母の離婚後の親権者に関する規律に関する質問趣意書」(2022年10月24日)
参照7: 公益社団法人商事法務研究会主催家族法研究会ヒアリング資料 - 渡辺久子『父母の離婚後の養育の在り方について』(2020年6月)

その他
●NPO法人レジリエンス,『ランディ・バンクロフト氏が答えるQ&Aドメスティック・バイオレンスの真実』,NPO法人レジリエンス,2011
●佐々木正美,『子どもへのまなざし』,福音館書店,1998
●シングルマザーサポート団体全国協議会,千田有紀,熊上崇,『家庭裁判所の子の監護に関する手続きを経験した人への調査結果ならびに家庭裁判所への要望』,2022 https://www.moj.go.jp/content/001383775.pdf
●森田ゆり,『米国の共同親権制度に翻弄される子どもたちの怒り:「安心」は子どもの人権の土台』,梶村太市,長谷川京子,吉田容子編著「離婚後の子どもをどう守るか:子どもの利益と親の利益」,日本評論社収録,2020

<賛同人(順不同)>
※ 随時追加予定です
赤石千衣子 しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長
あんしん・あんぜんに暮らしたい親子の会
伊藤公雄 京都大学名誉教授
阿部真紀 認定NPO法人エンパワメントかながわ理事長
太田啓子 弁護士
岡村晴美 弁護士
小川富之 大阪経済法科大学法学部教授/学長補佐
認定NPO法人オリーブの家
戒能民江 お茶の水女子大学名誉教授
河野和代 ウィメンズカウンセリング徳島代表
清末愛砂 室蘭工業大学大学院教授
熊上崇 和光大学現代人間学部心理教育学科教授
駒崎弘樹 政策起業家
近藤恵子 NPO法人女のスペース・おん理事
斉藤秀樹 弁護士
篠田奈保子 弁護士
島岡まな 大阪大学/大学院法学研究科教授
周藤由美子 性暴力禁止法をつくろうネットワーク共同代表
NPO法人全国女性シェルターネット
千田有紀 武蔵大学社会学部教授
田中志保 シングルペアレント101
谷本惠美
田端八重子  一般社団法人GEN・J 代表理事
田巻紘子 弁護士
角田由紀子 弁護士
中野麻美 弁護士
野村羊子 三鷹市議会議員
橋本智子 弁護士
花生 耕子 弁護士
廣瀬直美 特定非営利法人 あゆみだした女性と子どもの会 理事長
本田 正男 弁護士
皆川満寿美 中央学院大学准教授
村尾祐美子 東洋大学社会学部准教授
森田ゆり エンパワメント・センター主宰
山内益恵 弁護士
山岸素子  NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク事務局長
横地明美 弁護士
依田花蓮 元新宿区議/行政書士

賛同人となってくださった方々に、心から感謝申し上げます。

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