2011.10.14 Fri
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昨年2010年に『連帯の哲学』が公刊されたばかりの筆者から、新書が届けられた。
『監獄の誕生』ほか、難解な現代思想家の一人として名高いフーコーの入門書だ。
帯に書かれた、「入門書で感動したことありますか」というキャッチフレーズに誘われて、ページを繰り始めたが、
〈えっ、フーコーで笑っていいんですか?〉と思うほど、筆者がいれるフーコーへの突っ込みが関西風(勝手にすみません)。
『監獄の誕生』を中心に、フーコーの思想の特徴やその権力観、国家観を、長年フーコーと付き合ってきた筆者の言葉で、
ジャーゴン抜きで、語ってくれる。なんともはっとさせられるのは、有名な規律権力の説明。
「規律権力とはつまらない工夫が積み重なってテクニックとして精緻化された権力」だそうだ。
大仰に、政治的なるものの独自性を語ることで、わたしたちの生活のすみずみにまで浸透するようになった権力の
ありようをかえって見えなくしてしまった、多くの政治学的思考を、ひっくり返してくれる入門書。
そこには、筆者のふかぁーいフーコーへの愛が満ち溢れています。
本書から学んだ格言:フーコーを読むには、いつも愛と忍耐が大切だ(180頁)。 (moomin)
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