落合恵美子さん(比叡山を背景に)

落合恵美子(おちあい えみこ)最終講義
タイトル:親密圏と公共圏の社会学
日時:2023年3月25日(土)13:30~16:30
場所:京都大学 芝蘭会館 稲盛ホール

退職年月日:2023年3月31日
専門分野:社会学


プロフィール
1980年代よりジェンダー研究に取り組んできた。現在は自明のものとされている家族像は近代に創られた「近代家族」にすぎないことに気づいたときは、空が青く見えた。その後も歴史と比較という方法を用いて、今ここにあるジェンダーや家族を相対化する研究を続けてきた。アジア諸社会のジェンダーのゆくえにとりわけ関心をもっている。
東京大学大学院博士後期課程、同志社女子大学専任講師、国際日本文化研究センター助教授等を経て、2004年より2023年まで京都大学大学院文学研究科教授。京都大学アジア研究教育ユニット長、アジア親密圏/公共圏教育研究センター長等を務め、親密圏/公共圏研究の国際ネ

ットワーク構築に尽力。2023年4月より京都産業大学現代社会学部客員教授。
主要著書に、『親密圏と公共圏の社会学』(有斐閣、2023年)、『近代家族とフェミニズム(増補新版)』(勁草書房、2022年)、『21世紀家族へ―家族の戦後体制の見かた・超えかた(第4版)』(有斐閣、2019年)など。


「先生の研究は、どんなふうにつながっているんですか?」というかつての教え子の質問(『<わたし>から始まる社会学』)に答えるかたちで構成した最終講義。近代家族論から出発し、出産の歴史、育児ネットワーク論、徳川時代の歴史人口学、アジア家族の国際比較、福祉レジーム論と、さまざまな分野を巡ってきたが、それらのテーマはどのように理論的に連関しているのかをお話しした。
出発点にあったのは三重の意味で言葉が無い自分だった。女性であるから、アジア人であるから、そして若いから。言葉を獲得するための数十年の歩みだったと思う(『近代家族とフェミニズム(増補新版)』自著解題)。
この20年ほどの主な論考をまとめた新著『親密圏と公共圏の社会学』(有斐閣、2023年)が「近代家族論」をいかにバージョンアップしたのかを軸にしつつ、2022年に刊行した『リーディングス アジアの家族と親密圏』全3巻(有斐閣)に至る「家」研究の革新にも触れている。