なぜ女は服従するのか?
家庭や職場など女の服従はどこにでもあり、女は進んで劣位に甘んじている。それはなぜなのだろう。フェミニスト自身にとっても長らくタブーであった「服従」の理論と真相を、フランスの新進気鋭の哲学者マノン・ガルシアがボーヴォワールの『第二の性』を手がかりに解明する。
男性優位社会という「状況」に生まれた女はあらかじめ〈他者〉として客体化されており、自分自身の身体を「生きる」前に「見られる」社会的身体となってしまう。男による性的所有が可能なことを合図するひとつの身体だという意識をもった女は、主体としての自己承認を求めることをせず、自分が受動的で服従する運命にあるととらえてしまう。
――実存主義や現象学などの理論を通して、服従の自発性と再生産の仕組みが今明らかになる。
◆書誌データ
書名 :生まれつき男社会に服従する女はいない
著者 :マノン・ガルシア
訳者:横山安由美
頁数 :232頁
刊行日:2023/7/20
出版社:みすず書房
定価 :3,500円+税
(出版社リンク)
https://www.msz.co.jp/book/detail/09614/
2023.10.11 Wed
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
タグ:本