2012.03.04 Sun
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 舞台はパリ。エレーヌは子育ても一段落し、夫ポールと二人暮らし。小さな会社の経営者であるポールは、共稼ぎの妻エレーヌに家事の一切を任せきりである。ポールの母は年に一度ひとり息子のポールに会いにパリに出かけてくるが、彼は居留守をつかったり、仕事を口実に、母がひとりで滞在するホテルにもなかなか赴こうとしない。またエレーヌとポールの息子は、母親(エレーヌ)を煙たがるくせに、いっしょに住む恋人と揉めては両親のところに転がりこむ。
ある晩、車で出かけたエレーヌとポールは、男たちから必死に逃げる娼婦ノエミに遭遇する。助けを求めるノエミの目の前でポールは車をロックし、面倒なことには係わりたくないと警察も救急車も呼ばず、瀕死状態のノエミを残して、その場から立ち去る。一方エレーヌは夫の指示に従ったものの、ノエミのことが気になってしかたない。翌日彼女は昏睡状態で入院しているノエミを探し出し、会社も休み、病院に泊まり込みでノエミに付き添う。
アルジェリア出身のノエミが娼婦になったのは、父親の企てた金目当ての政略結婚から必死に逃れたところを、売春組織の男に声をかけられたのがきっかけだった。売春組織から抜け出そうと彼女は、ひそかに金を貯めていたが、それに気づいた組織は、ノエミを執拗に追いかけまわす。追っ手はやがて病院にまで及び、エレーヌは病院からノエミを救い出し、ポールの母のもとに向かうが…。
エレーヌはノエミとの出会いで、夫や息子の面倒を見る人生に見切りをつける。ノエミは父のもとに残してきた妹を救うために奔走する。映画の最後に海辺のベンチに座る4人の女性が映し出される。それまでとは一転して静かなシーンである。女だからといって単純につながれるものではない。けれど女であるという共感が世代も出自も血縁も異なる彼女たちを結びつけている。(lita)
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