WAN基金助成事業は2023年10月から2024年6月にかけ実施しました。2023年は3校で授業を5月6月は大人へ向けての講演会を行いました。チラシはその時のものです。

1 3校の児童の感想から
<知識>
・お腹の中に小さいたまごがあることを初めて知った。(~~2年)
・NO GO TELLが分かった。いやなときは いやNOと言っていいと分かった。(1年~6年)
・女は赤ちゃんを育てる部屋があるけど男はない。(3年)
・プライベートゾーンは自分の大切なところ自分のものと分かった。(1年~6年)
・体がこんなに大事なんだって初めて知りました。(2年)
・思春期のことを初めて知った。(3、4年)
・おりものが出ることもあると知った。(4年)
・夢精と言うことを初めて知った。(4年)
・夢精も月経も手洗いすればいいと分かった。(4年6年)
・精巣や夢精など男の子の思春期のことが分かった。(5年)
・何回も(射精)したら悪いと思っていたけど 「何回しても問題ありません」と聞い たときほっとした。(5年)
・SNSのトラブルや性犯罪被害にあった子が多くてビックリした。(5年)
・女の子に3つの出口(尿便膣)があるなんで知らなかった。(5年)
・女同士男同士結婚してもいいのは分かっていたけど 日本ではダメなことが分かった。(6年 )

<態度 スキル>
・人のプライベートゾーンを見ないように やたらに触らないようにする。写真を撮っ たりしないことを守る。(1年)
・(思春期の)反抗期は悪い事ではないと知ってほっとした。(5年)
・男子だけでなく女子のことも分かったのでよかった。(6年)
・イヤと思う時は 周りの空気に流されず 自分の心と向き合いたい。(中1)
・体や心が大人になっていくにつれて いろいろ心配でしたが少し和らいだ気がします。(中1)
・生理は憂うつで生理がなかったらなあと思うけど 命が誕生するためのものだから大切にし たいです。(中1)
・身近に若くして出産している人もいるので 望まない妊娠をしないためにも 確かな 知識を得て関わっていくべきと思った。(中3)

2 ①のまとめ
 子ども 若者が性的搾取されている現実。搾取しているのは大人である。大人である私たちはその現実を認識し 大人の責任を果たしたいと考える。その一つは 自分を大切に思える子ども達を育み 嫌な時にはNOと言える力を持った子ども達を育てること。感想からもあるように「包括的性教育」から子ども達は日常の不安や悩みに答をえている。自分はどこからどうやって来たのかを知り驚き安堵している。どこの学校の感想にもNO GO TELL プライベートゾーンの言葉が多く出てくる。「NOイヤって言っていいんだ」と知ることで勇気を得ている。「包括的性教育」は子ども達を励ます 教育になっている。
 “パープルリボンくまの”は「包括的性教育」が学校で常態になるきっかけになればと2022 2023 2024年は県の助成で行ってきた。
 「HAPPYな生と性」を実現するには 制約のある学校での性教育だけに頼らず おうちでの性教育 地域での性教育が大切だと考える。

3 中谷奈央子講演会 「HAPPYに生きるために~今、大人も知りたい生と性~」
森田敦子講演会  「HAPPYな生と性を考える」感想より
<大人62名参加>
・本当にHAPPYな生と性を考える講演会になっていたと思います。
子どもたちに性の事を伝える事はもちろん大切な事ですが、まず最初に私たち自身の自分の身体、特に性のメカニズムを知ることが基本で、そして自分たちがいかにHAPPYな人生を送っていくかが、何よりも大切な事なんだなあ、といまさらながら認識を深くさせていただきました。
たくさんの方のご来場、そしてみなさんの前のめりになっての熱心な聞く態度、多くの女性たちがこういうお話を待ってくれていたんだ、と深く感じました。
・私自身森田さんのお話が聞けて大変良かった。もっと早く自分の体の事を知りたかった。事前に森田さんの本を読んでいた時から 声に出して「膣が・・」と言える自分にびっくりしていたが 講演を聞いて尿漏れや膣のこと・・などを話すことは恥ずかしいことじゃない!!大切な事なんだと知り これから自分でケアできることはやっていこうと思った。予想外に多くの人が来てくれた いかに多くの女性が自分の体について知りたいと思っているかがわかった。

4 ③のまとめ
 50年60年70年・80年と生きて来て初めて知った自分の体の事。自分の体から疎外されていた自分に気づいた。この事実をしっかり考えなくてはいけないと思う。今回の講演でそのことに気付けてよかった。参加していた62名の女性もその事を感じているのだと思う。

5 伊藤修毅講演会
 「すべての子ども・若者に包括的性教育セクシュアリティ教育を!」感想より
<大人40名参加>
・放デースタッフ:男の子と女の子が近づきたがると困ったなあとなって、離れるように言ってしまう。近づかないように仕向けていた。愛着形成障がいのある子は遅れてやってくるという事にとても納得した。ひとりひとり違う発達をすると再確認した。イヤと言われる経験も大切だと思った。
・おちんちんを常に触っている子に、触っちゃダメと言いがちだけど、学ぶことでおとなの意識を変えていきたい。
・「性は自然にわかるものではない」と言われている 同じように「ふれあい」についても教育がいるのだ。「ふれあいの文化の教育的保障」(伊藤さんのレジュメより)という事について考えたい。
・今まで障がい者の性に対して、偏見をもっていた。人間はみな平等であって、性も平等の権利であることを知った。

6 ⑤のまとめ
 具体的な悩み気づき疑問がたくさん出された講演会だった。日常で出会うことが少ない 経験することが少ない事のためだと考える。私達の認識が遅れている点が多々ある。障がい者を中心に据えて考える事が普通になるようにしたい。

7 最後に
小学生169人 中学生12人に中谷奈央子さんの「包括的性教育」授業を届けることができた。
学校予算で性教育を計画するところが出て来た。
100人の大人に「HAPPYな生と性を考える」機会を提供できた。
この取組を通して WAN会員を1名増やすことが出来た。助成ありがとうございました。