WANでは、共通の分野で活動してきた、発足時期と構成メンバーの世代が異なるフェミニストの活動の交流・対話を通じて、活動の継承あるいは新たなつながりや展開の契機とすることを目的に、「WANフェミニズム活動交流会」という活動を始めました。その第1回として、次のとおり、ともに「性と生殖に関する健康と権利」Sexual and Reproductive Health and Rights (SRHR)の分野で活動してこられた「SOSHIREN 女(わたし)のからだから」と「#なんでないのプロジェクト」の対話と交流の機会をもちました。
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日 時:2025年4月12日(土)10:00~12:00
会 場:(公財)日本女性学習財団 カンファレンスルーム
参加者:27名
プログラム:
 パネルトーク SOSHIREN 女(わたし)のからだから 大橋由香子・長沖暁子
        #なんでないのプロジェクト 福田和子
 交流会
主 催 WANフェミニズム活動交流プロジェクト
協 力 (公財)日本女性学習財団
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パネルトークは、まず、「#なんでないのプロジェクト」(2018年~)福田和子さんが、
・活動の多くがオンラインで行われ、インターネットならではの拡がりがある一方、互いに深く関わり合うことがない、
・報われないことが多く、活動に希望/展望がもちにくい、
・無理解・誹謗中傷・理不尽な攻撃がある、
・やりたいからやっているのか、やらねばならないからやっているのかわからなくなる、
等ご自身が活動の中で抱いている課題感を述べ、40年余にわたる「SOSHIREN女(わたし)のからだから」の活動にそれらに対するヒント/手がかりを得たいと水を向けられた。これを受けて「SOSHIREN 女(わたし)のからだから」(1982年~)長沖暁子さん・大橋由香子さんが、
・1982年8月29日の「’82優生保護法改悪阻止連絡会」発足→1983年5月経済条項削除のみの優生保護法改定案の国会提出は阻止→当初からの目標である刑法堕胎罪と優生保護法の廃止をめざし活動継続→国連女性差別撤廃委員会へのロビーイング等最近に至る活動史、
・その間の、集会、講座開催、アムステルダム・カイロ・北京などの国際会議への参加、「女(わたし)のからだから合宿」、ロビーイング、署名の収集提出、SOSHIRENニュース「女(わたし)のからだから」の発行等、図書の出版等活動内容
・代表を置かず、ピラミッド型でなくフラットな組織、初期は週1回の会合開催等運営体制
・仲間との連帯・共感、次々に立ち現れる課題、活動に伴うささやかな楽しみ等々、すなわち活動を通じたエンパワーメントが、40年余にわたる活動の継続要因であったこと
等について話されました。
 お話を受け、福田さんが、SOSHIRENの活動過程と現在の自分たちの活動を取り巻く社会の状況が非常に異なることを痛感するとともに、主張が聞き届けられ受け取られ理解されることの重要さを確認できた場であったこと、そしてSOSHIRENの皆さんへの共感とリスペクトを表してトークを締めくくられました。
 パネルトークを受けた交流会では、参加者全員が一人ひとり、ここに参加した理由、パネルトークに共振した自分・触発された自分を表明し、語り合いました。
 我(個人)の課題と我々(市民)の課題の統合が人を突き動かしエンパワーしていくことや、ここからまた新たなつながりや展開が生まれるに違いないことを確信するひとときとなりました。

WANフェミニズム活動交流会担当