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回答30:打越さく良先生
2015.03.05 Thu
2月のビッグニュースでしたね。
でも、あくまでニュースにある通り、「結婚に相当する関係」(パートナーシップ)と認め、証明書を発行する条例案ということですね。区では同性婚を認めることまでは出来ません。区として出来ることを実施する、という姿勢は大いに評価したいです。
ですからお答えとしては、東京都渋谷区では、女性同士、男性同士の結婚(同性婚)が認められたわけではない、他の自治体から引っ越した場合も同性婚はできない、でも条例案が可決されれば、結婚に相当する関係との証明書は発行してもらえる、引っ越してきても同じ、ということです。
2月15日には東京都世田谷区の保阪展人区長、2月18日には横浜市の林史子市長が同性カップル支援について前向きな発言をなさったようです。目を通した限りでは新聞各紙も好意的。時代は確実に前進しているんだなあと実感しました。
公にパートナーとして証明する制度がないと何が困るのでしょうか。不動産屋で、女性同士のカップルが同居の部屋を借りようとしても、「妻」という記載を「友人」へ訂正させられたり(毎日新聞2015年2月27日朝刊)。病院での面会も「家族でない」と断られることもあるとか。同性カップルが公に認められる制度がないこと自体が、同性愛ってなんかフツーじゃない」といった差別を助長してしまうのではないでしょうか。自治体レベルで、少数者を尊重する政策をしてくれるのは、大歓迎ですね。
同性カップルを認める国や地域は、ヨーロッパや北南米など32か国と47地域だそうです(上記毎日新聞中の紹介。2014年5月現在、国際NGO・ILGA http://ilga.org/ による)。
日本でも、自治体にとどまらず国レベルで同性婚を認めてほしいですね。それには改憲が必要、という意見があります。2月18日の参議院本会議で、安倍首相は、同性婚について、「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」、「同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは、我が国の家庭のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する」と答弁したそうです(朝日新聞デジタルニュース2月18日20時01分)。
でも、憲法24条1項「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」は、家制度のもと、戸主の同意がなければ結婚できなかったのを、当事者だけの合意で決めていいとしたことに意義があるはず。憲法がつくられたとき、同性婚を排除するつもりはなかったのでは。むしろ、個人の尊重を掲げる憲法のもと、同性婚ももちろん認められていいはずです。国会には、遠慮なく、同性婚を認める法制度にしてほしいですね。
タグ:くらし・生活 / 同性愛 / 当事者 / 同性婚 / no30 / 法律相談 / 打越さく良 / 条例案 / 女性同士 / 男性同士 / 同性カップル支援 / 婚姻 / 両性の合意 / 家制度 / 戸主 / 憲法24条1項