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女や子供や年寄りに優しくない社会を誰が望んでいるのだろうか  北山桂

2009.06.18 Thu

突然、めまい、動悸、息切れがした。これまでに経験したことがなく、不安がつのるばかり。しばらく横になっていても、おさまらない。友人は、「救急車をすぐ呼びなさい」と電話の向こう側で叫んでいた。かかりつけの病院に電話をし、タクシーを呼んで時間外診察をお願いした。血液検査、心電図、診察。「過労でしょう。ストレスが多いのではないですか。点滴をしておきましょう。しばらくゆっくり眠ってください」
2時間程して、身体じゅうがすっきりした気分になった。健康保険証も持たずに飛んで行ったので、受付で1万5000円の支払いを求められた。もちろん、翌日には保険証を持って行けば、本人負担分3割だけで済み、1万円は返ってきたが、タクシー代を含めれば多額の出費だった。

初めて、年をとることの健康への不安と、経済的に安心して暮らせるのか不安になった。私はもう少しで年金生活者となる。若い時はがむしゃらに働き、少々疲れていても、睡眠を取れば回復すると錯覚して、身体を酷使してきた結果だろう。
 
6月16日付けの京都新聞に「母子加算廃止の取り消しを母親14人が府に審査請求」という記事がでていた。「審査請求書によると、小学生の息子に野球クラブのユニホームが買えなかったり、食事を節約するなどしており、母子加算廃止は生存権を保障した憲法に反し違憲としている。」

全国でもこの問題は取り上げられ、違憲性を問う生存権訴訟となっていることや、民主、共産、社民、国民新の野党4党が、6月4日に母子加算を復活させる生活保護法改正案を衆議院に議員立法で提出したという。
 誰もが健康で安心して暮らせる社会を望んでいるはずなのに、どうして女や子供や年寄りに優しくない社会なんだろうかと暗い気持ちになった。

タグ:身体・健康 / 北山桂