エッセイ

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女性差別撤廃委員会(CEDAW)報告No.2    越堂静子

2009.08.02 Sun

<23日のCEDAW日本政府レポート審議会>
 23日はいよいよ、日本政府レポート審議会です。二部屋に分かれての審議です。A室(アルゼンチン、ブータン、ラオス、スペイン)、B室(アルバイジャン、デンマーク、日本、スイス)となりました。少し長いですが、パッテン委員の質問内容は抜群ですから、がんばって読んでください。私のメモによるものですから、一部明確でない部分もありますが、ご容赦ください。

 南野議員を日本代表に、内閣府、外務省、厚生労働省、法務省、など各省庁から、若手の17名の参加がありました。史上初のTVカメラが回る中、委員たちの鋭い質問。一方、政府から縦割り行政にて紋切り型の回答。

 この写真の外側の椅子には、ぎっしりとNGOの参加者が座っています。政府の回答に、時たま、ため息やざわめきが起こります。それが、どっとひとつの波状になって、前の政府代表に届き非常なプレシャーになっていたと、あるマスコミ関係の方が言われていました。 ここでは、主に、雇用に関して委員からの発言をピックアップしご紹介します。日本政府の回答は、政府の議事録ができてからご覧ください。

<パッテン委員のコメント・質問(条約1条~6条に関して)>
①条約の1条には、
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/3b_001.html
「女子にたいする差別」の定義が書かれている。2003年のCEDAW勧告は、定義を条約にそって入れるべきと勧告した。
http://www.un.org/womenwatch/daw/cedaw/cedaw29/ConComm/JapanE.pdf
直接、間接的な差別禁止は、いかなる分野においても女性が享受すべきであるが、これまでのところ、国内法にない。

②均等法に間接差別がふれられているが、3つしかなく、きわめて制約的で条約から離れた基準である。再検討いただきたい。

③差別的法律が国内法に残っている。条約2条で差別的法律は遅滞なくと規定している。
 民法、結婚、離婚期間、相続法、婚外子など、差別的法律は検討するよう2003年に勧告している。

④選択議定書批准、現在97ケ国。2005年の省庁間の研究会、審議会はどうなったのか。何故、批准しなのか。阻害要因があるのか。誤解があれば、払拭したい。

<シモノビッチ委員によるコメント・質問>
①南野代表もジェンダー平等が遅いと認めているが、CEDAW条約は法的拘束力をもっていないようだ。まるで「宣言」としか思っていないのではないか。条約1条の差別とはなにかという定義、これが国内法に取り込まれていない。本格的、全面的に条約に精通すべき。条約の精神を全面的に国内法にとり込むべきである。

<パッテン委員の質問(条約11条に関して>
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/3b_003.html
①コース別の雇用管理区分、均等法の指針は、女性に対する間接差別にあたるのではないか。均等法の5条、6条は男女差別してはいけないとあり、立派なものであるが、付随の指針をどう考えるか。
(ここに関連してWWNのNGOレポートが参照され、評価されました)

②2004年から2006年に格差が拡大している。どうして賃金格差がおこったのか。
賃金格差縮小に努力しているか。パートタイムの均等待遇になる数字が少ない。実際の均等待遇の対象者のパーセンテージはどれだけか?

③同一価値労働同一賃金(ILO100号条約)を国内法に入れる考えはあるか?
兼松、住友メーカーなど14年間も裁判がかかっている。国内法に同一価値労働同一賃金が入っていれば、もっと解決が早かったのではないか。賃金格差縮小するために、法的枠組みが必要ではないか?

④職務をどう評価しているか。民間企業に、非正規、派遣社員は、均等法の保護が受けられない。女性へのインパクトを調査したか?女性が犠牲にならない方策はとっているか。

<ブルーム委員の質問>
①女性にパートや派遣等の非正規が多く、その数字ははっきりしている。女性の就業パターンに格差がある。向上させるために措置が取られているか?有期雇用が増加している。政府は有期雇用を減らして状況を均衡化させるため、派遣に関して法的な枠組みがあるのか。

<パッテン委員によるフォローアップ質問>
①ブルーム委員の質問をフォロー。1700万人の女性労働者のうち非正規労働者の70%をしめているのは、差別の形態。間接差別ではないか。政府は何をしようとしているのか。

②均等法5条、6条で、性において差別を禁止している。パーフェクトな法律であるが、指針は、法律を希釈している。雇用管理区分の中で、男性はキャリアトラックへ、女性はマイナーな事務職へとなっている。厚生労働省の調査にある、総合職に占める女性の割合が5.1%というのをどう思うか?指針・雇用管理区分によって、コース別制度で女性を差別しているのではないか。これは間接差別になる。
法律の中に制裁が必要であるが、日本の法律(均等法)には制裁がない。また違反した企業名も公表されていないように思われる。名前を公表されて恥をかいたところはあるのか。

 なお、23日の日本政府レポート審議会の議事録(英語)は以下で読めます。
http://www.un.org/News/Press/docs//2009/wom1742.doc.htm

<これからの運動にご注目を>
 CEDAW委員へのNGOからの豊富な資料提供、活発なロビイング活動、それに今回の日本政府のTerribleな回答ぶり、に、きっとCEDAW委員はNGOの私たちの顔を思い浮かべながら、効果的な勧告を出してくれることを確信しています。

 実施可能なCEDAW勧告(総括所見)をふまえて、政府に実施要請をしていくような運動をしていく必要があります。CEDAWから司法の教育に来てもらうことも要請できるかもしれません。

 以上を実現可能にするためマスコミの方々、国会議員の方々の協力を得て、省庁交渉、法改正へ持ち込んで行きたく考えています。
みなさんのお知恵とお力をぜひお貸しください。

(こえどうしずこ WWN代表)

カテゴリー:ちょっとしたニュース

タグ:越堂静子 / CEDAW

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