エッセイ

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【特集:衆院選⑦】シングルマザーと子どもたちの“健康で文化的な生活”の実現を!     神原文子

2009.08.22 Sat

 ケイ子さん(32歳)は、夫からの長年の精神的なDVに耐えかねて離婚を決意した。家庭裁判所で調停が成立し、ケイ子さんがアイちゃん(6歳)とヨウちゃん(3歳)ふたりの子どもの親権者となり、夫が毎月5万円の養育費を支払うことが決まった。養育費は夫の給料から毎月天引きされ、ケイ子さんの預金口座に振り込まれることとなった[color=CC0000](夫の給料から養育費が強制的に天引きされる制度ができればいい)。[/color]

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 ケイ子さんは実家のある市に転居したいので、市の児童福祉課に今後の生活の立て直しについて相談に行った。経験豊かな母子自立支援員が、ケイ子さんのニーズをじっくりと聴きながら、住居、仕事、保育所、学校などの手だてについて一緒に考えてくれた。[color=CC0000](母子福祉施策として、住居、就労、保育、手当など、生活をトータルに支援する窓口体制の整備が急務だ)。[/color]公営の福祉住宅に家賃10000円で入居が決まった[color=CC0000](高い家賃が家計を圧迫するので、公営の福祉住宅枠を拡大してほしい)。[/color]

 アイちゃんは地元の小学校へ通い、放課後は校内の学童保育で過ごすこととなった。保育所も自転車で10分ほどのところにあるという。所得が非課税なので保育料は月1500円とのこと。この金額なら無理なく払うことができる。[color=CC0000](幼児教育の無償化よりも、いつでも入所できるだけの保育所定員を増やして欲しい)。[/color]ケイ子さんは、自転車で通勤できるスーパーマーケットにパートの仕事を見つけた。時給1000円である[color=CC0000](雇用の確保と最低賃金1000円を早く実現してほしい)。[/color]1日7時間、月20日働くと140000円になる。ただし、社会保険料などを払うと手取りは120000円ほどである。子ども手当が2人で30000円支給される[color=CC0000](保育料や教育費の負担が軽減されるのであれば、子ども手当は1ヶ月26000円でなく15000円とし、むしろ高校卒業まで支給してほしい)。[/color]

 仕事の都合で、ヨウちゃんを保育所へ迎えに行けない時は、母子家庭等日常生活支援事業のヘルパーの方にお願いする。1時間150円はありがたいが、緊急の時にも利用できると助かる。

 これらの制度が全部具体化されたなら、月々22万円程度の収入となり、児童扶養手当が減額されてもさほど支障はない[color=CC0000](児童扶養手当は、就労困難な時や夫が養育費を払わない(払えない)時の補填として位置づけることも可能である)。[/color]

 ケイ子さんは、生活が落ち着いたら、高等技能職業訓練促進費を利用して、建築士の資格を取得したいと考えている。全訓練期間を通じて1ヶ月141,000円の生活資金を受給できるので、ぜひチャレンジしたいという。[color=CC0000](ただし、現在は、建築士は補助の対象になっていない。高等技能職業訓練促進事業の対象となる資格を、就労に有利なさまざまな資格にも拡大してほしい)。[/color]

 アイちゃんとヨウちゃんの将来について、幸い、高校も大学も低所得層対象の就学援助制度があるので、経済的には大丈夫だろう[color=CC0000](就学援助制度の拡大をぜひ期待したい。同時に、大学の授業料の引き下げを期待したい)。[/color]学習面については、学校が信頼できるので、親としては、暖かく見守りながら応援していきたいという[color=CC0000](子育ての親負担を軽減するために、学校教育の制度改革が不可欠である。学習塾に頼らなくとも、公立学校で責任をもって子どもたちに基礎学力をつけてほしい。全国一斉の高校卒業資格試験で一定の点数を取得すれば希望する大学へ入学できるように大学入学制度を変更し、大学入学後に、学生たちが4年間、勉学に打ち込めるような体制づくりが必要だろう)。[/color]

 ひとり親と子どもたちの、健康で文化的な最低限の生活をスケッチしてみた。ひとり親も子どもたちも、年収260万円程度でも、将来に希望をもてるような総合的な施策([color=CC0000]赤字[/color]の部分)を、いったいどこの政党が本気になって取り組んでくれるだろうか?








カテゴリー:ちょっとしたニュース

タグ:DV・性暴力・ハラスメント / シングルマザー / 神原文子