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新政権、これでは男政権と呼ばれちゃう    紅いハイヒール

2009.10.24 Sat

 新政権の女性参画率はものすごく低いことが分かりました。許しがたいくらい低い。おかしいなぁと思っていたのだ。行政刷新会議のメンバーに女性が0、国家戦略室に女性が0という報道を聞いて。仕方ないので、政権のメンバーを調べてみた(「鳩山政権の顔ぶれ国会・党役員」@民主党。以下敬称略)。

 大臣こそ18人中2人だから11.1%だが、官房副長官0%、内閣総理補佐官0%、副大臣1人で(辻元清美;国土交通省)、4.5%、政務官3人で12%(西村智奈美;外務、高井美穂;文部科学、舟山康江;農林水産)。全体で見ると8.7%にしかならない。役職の女性比率は下に行くほど多いというのは日本全国共通の現象だが、内閣も、政務官でようやく1割に乗る。

 こうなったら、国会運営はどうだ、というと、衆参両院で、議長0%、常任委員長2人で8.3%(田中眞紀子;衆議院文部科学委員長、円より子;参議院財政金融委員長)、特別委員長0%、審査会長0%、調査会長0%。全体で5.6%にしかならない。民主党の党の役職で見ると、役員会は女性0。党の幹事長室16人体制のうち、女性は副幹事長ただ1人(青木愛衆議院議員)で6.3%となる。

 体質が古いといわれる労働組合と比較してみると、例えば連合の中央本部役員体制の中で、女性は20.4%。これは、女性枠を設けているからだが、少なくともナンバー2である会長代行は2人のうち一人は女性としている(「連合新会長に古賀氏選出 代行女性枠はNHK労連議長」@asahi.com)。

 官僚で見てみると、2009年版『男女共同参画白書』によると、全体では16.9%を女性が占めているが、係長級は17%、本省課長補佐・地方機関の課長級6%、本省課室長・地方機関の長級2.2%(ほら下に行くほど多いでしょ)となっている。

 日本の政策を新しくするはずの新政権だが、女性登用がこれほど低いことは何を意味するのだろうか。「俺に任せろ!」という気合なのか、「いくさの時には、女、子どもは銃後の守り」なのか(?)。それとも、どこの組織でも見られる、年功序列の順列組み合わせ、論功行賞、コネクション重視なのかと、揶揄されても仕方のない結果ではないか。民間登用も含めて考えられているはずなのだ。女性の人材がいないはずがない。

 政府の女性参画率の方針は少なくとも30%のはずだ(「2020年までに、あらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度」になることを目指し、取組が行われている。2009年版パンフレット『男女共同参画社会の実現を目指して』より)。政府の方針は政府じしんには適用されないのだろうか?

 政策が女性のものになるためには、政府に女性が天の半分、50%存在しなくてはならないのは当たり前だ。平等政策というものは「進化」すれば、障害者、「エスニックマイノリティ」、「セクシュアルマイノリティ」など当事者参画を意思決定の機構に求めるものだ。今のままではまるで「有史以前」くらいの感じであって、悲しいかな、とても 、21世紀の政府の姿とは思えない。アメリカのオバマ新政権は15名の閣僚のうち3分の2をエスニックマイノリティや女性から登用している(女性は27%)のだ! ノルウェーやスウェーデンやフランスは閣僚の40%以上が女性なのだ! 政党による自発的クォータ制といって、選挙の候補者の名簿を男女交互にしている国もあるのだ(スウェーデン、ドイツなど)!

 せっかく新政権になったのだから、このくらいの、国際水準に合わせた先進性があってほしい。そして、なぜ女性登用ができていないのか、理由を明らかにしてほしい。真剣に女性登用を進め、女性当事者の意見が政策に反映されることを切に要望する。

 最後に、日本の市民のみんなから、新政権の女性参画の少なさに目立ったアクションの起きていないことが少し(かなり)さびしい。何事もはじめが肝心。どうせこの程度、とあきらめず、何かしなくてはいけないなぁと思うのだが、いかがだろうか。

タグ:女性政策