2009.11.23 Mon
数年前から「社会保険庁」から届いていた【年金】、ついについに手続きをする時期を迎える年齢になった。
手続きについては、書類をよく理解できるまで読み込み、疑問はメモしておいたので問題はなかったが、満額を受け取れるまでの2年間についての数字を見たとき、本当に「えっ! これだけ? 44年働いて来たのに?」と思うのと同時に、落胆の気持ちと怒りの気持ちが沸々と、まさしく沸々と胸の中で煮えたぎっているのを感じられた。
二桁無いのですよ!
満額受け取れるまでの2年間をどう過ごせと言うのか!
個人の蓄えで凌げと言うのか! 蓄えがあれば良いという意味ではないが、あるものは何とか持ちこたえられても、私などのように退職を目前にして、大病を患ったものにとっては、冗談でなく医療費などで僅かな蓄えがどうなるかは火を見るより明らか。
そこで、二つのことを思い出した。一つは父の友人が亡くなられた際のこと。
ご本人は定年後(一部を受け取られていたかは不明)も働かれていたが、急死された。妻は数年前に亡くなられ、子どもたちは成人していたので、その方の年金は国庫へ。
もう一つは母のこと。定年まで働いていた母が64歳のときに父が亡くなり、母が受給していた年金と父の年金のどちらか多い方を選択しなければならない。で、母は自分の年金を放棄せざるを得なかった。なんで?
個人が保険会社などで掛けていた保険ならば、本人が死亡しても遺族の誰かが受け取れるのに、年金は本人が何十年にもわたって掛けてきたのに国が没収できるのか!
これって国家権力の下の横領ではないのか!
統計的に見ても、女性が圧倒的に長生きであることは誰もが承知していること。しかも賃金格差が一向に改善されないこの時代、女性は働きつづけ、払いつづけた「自分の年金」を捨てることを余儀なくされることが多い。何という腹立たしさ!
もう、もう、超―腹が立って怒りの虫がしばらくおさまらなかった。今でもおさまったわけでは無い、断じて。
とはいえ、私もいい加減ではあることは確か。自分が年金を受け取ることになったからこそ実感できたのである。
ちなみに私が40年あまりの間に払った掛け金は、約670万円です。もし私がいま死亡したら、息子は成人しているため、そのお金は国庫に。
年間にどれだけの人が亡くなって、どれだけの年金が国に入り、そのお金はどうなっているのか? 誰にも聞いたこともないし、通知が来るわけでも無いので、腹の立つミステリーです。いくらミステリー好きの私でも、こんなミステリーは願い下げじゃ!
(ウィメンズセンター大阪発行「女のためのクリニックニュース」2009年10月15日号より転載)
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