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【特集・装うことから考える・その6】「おしゃれ」と「コスプレ」はどう違う? マダム・ルーズ

2009.12.30 Wed

皆さまはおしゃれはお好きですか?
マダム・ルーズはYES/NOというか、おしゃれとのつきあい方は難しいなあ、と思っています。

「お化粧をめぐる3つの謎」でもおはなししたように、マダム・ルーズは、基本的にお化粧をしません。でも女性服の多くは化粧した人を前提に作ってあるので(からなのかどうかは本当のところは分かりませんが、だからだろうと思っているのです)、自分に似合う服というのは限られます。主観的にはマダム・ルーズには黒が似合うと思っていて、割と黒い服が多いです。茶色でも紫でも緑でも赤でも、自分の肌の色や雰囲気に似合う色と似合わない色があって、一品一品顔に合わせて吟味しないといけないので、「面倒くさいなア」と思っちゃうと、つい黒を選んでしまうというのもあります。あと、着ていて疲れない服、というのも服選びの時の大きなポイントです。 「面倒くさくない買い物」「着ていて疲れない服」が基本なんで、これが「おしゃれさん」になりきれない理由だと思ってます。

でも、そんな私も街を歩いていると、欲望を喚起されるんですね。ウィンドウに飾ってある派手派手しいスカートとか、派手派手しいニットとかに魅かれて、ついふらふらと買ってしまいます。派手派手に魅かれていくというのは、非常になんか「動物的」あるいは「単純」ではないだろうか、と我ながら思うんですが・・・。

結果、欲望に忠実であるマダム・ルーズ、黒と派手派手のミックスしたスタイルに落ち着いております。すると、いつもおんなじイメージになるらしい、ということが最近分かってきました。「ママの服ってみな同じだよねえ」とは娘の弁。

いまいち同じパターンから逃れられないってことなんですよね。好きなものがはっきりしているので、そうなるともいえます。でも、そのせいで、黒アンド派手派手で、着ていて楽な=かっちりしていない形という服装をしていないと、「コスプレ」と表現されてしまう、ということにここ数年気づきました。

たとえば、卒業式に臨席したときのこと。
卒業式だし、やっぱりスーツくらい着ていくべきか?と白いボウのついたブラウスに黒のスーツで参列。お祝いの席の華やかさを出すために、大ぶりのイヤリングをつけて、いつもはつけない口紅を引き、ついでに眉毛も整えて出かけました。

その姿で廊下を歩いていると、同僚(男性)の先生に声をかけられます。
「マダム・ルーズ、今日はまた、いつもと違った雰囲気で」「マダム・ルーズ、今日はおしゃれしてきたんですね。」

このあたりは、よかったんです。「はい。今日は卒業式ですので、お祝いの雰囲気を出してみました」(ホホホ、私だっておしゃれくらいできるのよ)と、機嫌良く歩いていたのです。

しかし、親しい同僚(男性)になるや、「へえ。マダム・ルーズもそういう服持っていたんだ。」(スーツの一着くらい、持ってるっつーの。)

極めつけはこの発言でした。
「わあ!今日はコスプレ!!」

コスプレ?え?
ほとんど気にしたことがないTPOというものを考慮し(たつもりで)、場に合う服装にしてきた(つもりの)私に向かって、「コスプレ」だと?? 大サービスで(誰への?)化粧までしてきたんだぞ!(口紅とアイブローだけだけど)

ぷんぷんしながら、考えました。
確かに、私は「理想の女性教師」の図(かなりレトロ)を演じようとしていたのでありました。自分でない誰かを演じようとしているのだからして、確かに「コスプレ」だったのかも。

私にとって、いつも着ている服は「私でいいじゃん」という姿勢を誇示するためのものであり、その結果パターン化したものになってしまい、あらためて「おしゃれ」すると「コスプレ」になってしまうってことなのでしょうか?

「私」のままで「おしゃれ」をつきつめ、「コスプレ」にならない道ってどこにあるんでしょうか? 難しい・・・

タグ:ファッション / くらし・生活