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娘に呆れられながら見る「花より男子(韓国版)」 マダム・ルーズ
2010.06.30 Wed
2009年2月にソウルに遊びに行った娘が、「韓国版の『花より男子』はすごい!マンガそっくりな男の子たち!」と感激して帰ってきた、その「花より男子」韓国版を、昨秋、DVDで見始めました(基本的にケチなので、新作でなくなってからしか、レンタルビデオ屋で借りないわけですね・・・)。
「花より男子」は、1992年から2002年まで集英社の『マーガレット』で掲載された大ヒットマンガで、何度もテレビドラマ化されています。実は、マダム・ルーズの家では、
台湾版「流星花園」(2001年)も、
日本版「花より男子」(2004・2005年)も見ていて、今度は韓国版をしつこく見ようというわけです。
基本的には、かわいい男の子がたくさん出てくるので、楽しいのです。「あらこの子、かわいいわねえ」「道明寺(我が家では台湾版がベースなので、ドウミンスーといわれている)よりも、類の方がいいわよねえ」などなど、娘と一緒に盛り上がるのですが、あっというまに完全に娘よりも私がはまって、もはや娘には呆れられる状態となってしまいました。
そういえば、「流星花園」のときも、「どこがいいのん?」という娘のつめたーい視線にもめげずに、ひたすら鑑賞したなあ・・・。あのときは、ミーハードラマにはまる自分自身を恥じていた私に向かって、ジェリー(「流星花園」で道明寺をやっていた俳優)ファンの文学研究者(女性)は、「テキストを差別するな!」と喝を入れたのでした。
しかし。40ン才にもなって、こういうドラマにはまっているというのは、多分、はしゃぎたかったティーンエイジャーの30年前には、このようなミーハーなドラマに対してのめりこむということを「許されなかった」という恨みつらみがあるからではないか、と思うのですよね。いや、別に誰かに禁止された覚えもないのですが、「よい子ちゃん」的に自己規制してしまっていたのか、恋愛ドラマというものを親子でキャーキャー言いながら見たという記憶はまったくないわけです。
何でこんなにはまるのかなあ?と考えると、ストレートな性的欲望による、というわけではない。気がするんですよね・・・。だって、ク・ジュンピョ(韓国版の道明寺司)をやっているイ・ミンホは、息子と同い年だったりするわけで、そういう年齢差の男の子とデートしたいとか、キスしたいとか、エッチしたいとか、思うか?と、胸に手を当ててしみじみ考えてみても、「いやー、いいです。子どもじゃん」って感じ。
じゃ、何がうれしくてこんなにはまっているんだ?
考えてみると、マダム・ルーズの一番お気に入りのシーンは、13話のマカオのシーンなんです。クム・ジャンディ(韓国版の牧野つくしちゃん)と再会したク・ジュンピョ(韓国版の道明寺司)が、母親からの圧力の下でクム・ジャンディに冷たく対応しつつも、実は思いは断ち切れず、会議室で彼女の写真を見ながら泣くシーンなんですよね。
実は、「流星花園」でも一番のお気に入りのシーンは、類とつくしがつきあうことになったと類から言われて、平静さを保っていた道明寺が、それでもつくしちゃんをあきらめきれずに、自宅でビールを飲みながらむせて泣くシーンなんですよ!
つまり、私は「美青年、苦悩するの図」、あるいは「美青年が泣きくずれるの図」が好きなのではないだろうか?と、ハタと気づいたのでした。もうちょっと正確に言うと、多分単純な「美青年」というだけじゃなくて、偉そうにしていたのに、実は無力だったりして、そのダメダメな自分に素直に向かい合い始めていく男の子の象徴として、道明寺の「苦悩するの図」「泣き崩れるの図」が好きなんじゃないかな?
そういえば、ほとんど泣かない・苦悩しない原作の道明寺に対しては、あんまりかわいいと思ったことないしなあ。「何でこんな強引な奴が好きなんだろう?つくしちゃんて?」と思ったくらいだったし。
ところで。一緒に見ていたムッシュ・オットリが、ぽつんと一言。「ボクがもし、美少女がたくさん出てくるドラマを見て微笑んでいたら、やっぱり、もっと顰蹙を買うんじゃないだろうか? なのに、どうしてマダム・ルーズはそんなにうれしそうに見ていられるんだ?」
ふーんだ。ムッシュ・オットリが「美少女戦士セーラームーン」を微笑んで見ていたって、寛容なまなざしで許容できるもん。うさぎちゃんが、ほかのセーラー戦士が壮絶戦死して、泣きながら一人で「最後まで戦う」と決意したときなんか、一緒に涙したじゃない!
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