エッセイ

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宇宙をめざす~asukaの育児休業日記(3) 育児中の自己研鑽(語学学習編)

2011.06.10 Fri

仕事復帰に向けた育児休業中の自己研鑽。今回は「語学学習」です。
きっかけは次女の産休を取る際の上司の一言。
「休業中に英語を上達できるといいね。美しいビジネス英語を話せる人はなかなかいないから」。こう言われてはやるしかありません!

美しいビジネス英語

国際プロジェクトなので、会議は多国籍。(C)JAXA

私の仕事、国際宇宙ステーション計画は多国間プロジェクトなので、会議や資料、メールのやり取り等で頻繁に英語を使います。入社して一ヵ月もたたないうちに、アメリカ、ロシア等とつないだテレビ会議に出席していました。資料も会話も全て英語です。もちろん予習はしっかりしました。しましたとも! しかし・・・どの国の誰が発言しているかも把握できないほどのスピードと内容の難解さに圧倒されたまま、会議終了。気付けば議事録作成を依頼されていました。

半泣きで録音を繰り返し聞き、ほぼ徹夜で仕上げた議事録。ところが、内容はほとんど間違っていたようで、先輩方のチェックを経た最終版で私の文章の原型を留めていたのはタイトルと日付だけでした。

と、最初は散々な状態でしたが、根気強く鍛えてもらったおかげである程度英語には慣れました。ただ、言いたいことが伝えられずに交渉に時間がかかったり、丁寧な言葉遣いや適切な言葉が出てこずに、お偉いさん相手に失礼な言い方をしてしまうこともしばしば。「美しい」にはほど遠い・・・。英語の学び直しは自分の中でも以前からの課題でした。

子育て中の英語勉強

 英語の上達を目標に掲げたものの、子連れで英会話学校に通うのは難しい。そこで、家でできる通信講座やNHKの語学講座に加え、ママ英語サークル、スピーチクラブを活用しています。

ママ英語サークルでは、「サークル」のイメージに反して、文法・単語の基礎固めを地道に黙々と行っています。ママ達が英語の勉強をする傍らで子ども達が自由に遊び、泣き出したらあやしに行くというスタイルのため、子どもにも周りにも負担をかけず、かつ真剣に英語を勉強する仲間がいることでモチベーションを保てます。

アウトプットの機会を得るため、夫に子どもを任せて月二回程参加しているのがトーストマスターズという英語スピーチクラブです。

http://www.district76.org/ja/

このクラブはリーダーシップ・コミュニケーション能力にも注力しており、人前で話す練習だけでなく、様々な役割(他人のスピーチ評価、司会 等)も順番に担当できるシステムです。担当が固定されている会社とは違い、同じことを異なる顔ぶれが行い互いに評価しあうことで、主観的・客観的に改善点を見つけ実践していくことができます。また、参加者のバックグラウンドが多様でスピーチ内容が面白いのも大きな魅力です。

英語力の他に得られるもの

ママサークルとスピーチクラブは、どちらもウェブ上で知って参加しました。インターネットの普及で「学び方」が広がっています。

しかし仕事をしている時は、英語のためにわざわざ社外のクラブに参加することなど思いつきもしませんでした。育休をきっかけに新しい世界が広がったのです。特に、トーストマスターズクラブで得られる英語・リーダーシップ・コミュニケーション能力に対する「改善点のフィードバック」は、仕事では得難く、かつ仕事にも生かせるものです。このクラブには復職後も参加し続けるつもりです。

子どもの反応

長女をママ英語サークルに連れて行った時のこと。リズムに合わせた発音練習をしている横で、遊びながら何かつぶやいている・・・と思ったらマネして英単語をしゃべっていました!しかもお手本そっくりの素晴らしい発音で!!やっぱり子どもの耳にはかないません。

「上手だね~」とたくさん褒めたところ、スピーチクラブに出かける時、「お母さん今日えいごのべんきょう?わたしも話せるから連れてって!大丈夫。上手だから!」とごねられてしまいました。困りつつも、私の背中をみて興味を持ってくれたのかしら~なんて嬉しかったり。一緒に楽しく学んでいけたらいいな、と思っています。

でもこのままいくと数年後には、「お母さん、そこの発音全然違うよ。”あっぷる”じゃなくて”アッポゥ”。やってごらん」とか言われちゃうのかな。ううーん。

まだまだなロシア語

宇宙ステーション計画にはロシアも参加しています。仕事では英語や通訳を使っているものの、言葉を話せたらコミュニケーションの幅が広がるだろうな~とロシア語にも挑戦してみました。

こちらは参考書を使った完全なる独学です。なにせ、ロシア語を教えている学校等はほとんどなく、勉強しているという人も見つけられず。一つの目標としてロシア語の検定試験を受験しましたが、その会場も非常に小さく同じ級の受験者は10人程度でした。全国で14会場しか実施してないのに・・・。

試験までは頑張って取り組んでいましたが、それ以降どうもやる気がおきません。理由として思いつくのは二つ。「必要性の薄さ」、そしてなにより・・・「仲間がいないこと」!

学び続けるために

育児休業中に限らず、様々な資格・能力を学び続けるために大切だと思うこと。
それは、「目的・目標が明確であること」、「自分にも周りにも無理なく学べる方法を選ぶこと」、「その資格・能力にとどまらない付加価値があること」、そして「一緒に学び刺激しあえる仲間がいること」!

そろそろロシア語の勉強も再開しようかしら。まずは仲間探しから!?

宇宙マメ知識

今日は宇宙ステーション計画で使われている言葉について。
宇宙ステーション計画に参加しているのは何カ国でしょうか?

(C)JAXA/GCTC

日本の他に、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、スペイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)、ロシアの計15ヶ国です。

今月から宇宙ステーションに長期滞在する古川聡宇宙飛行士も、ロシアの宇宙船で飛び立ちました!(C)JAXA/FSA

日本人宇宙飛行士は、宇宙ステーションの中で普段は英語を使っています。ただ、ロシアと通信する時や、ロシアの宇宙船に搭乗する時にはロシア語も使います。ですから、英語とロシア語が両方できれば鬼に金棒なのです。

会社の会議やPTA役員会など、15人集まるだけでもなかなか物事って決まりません。それが15の国でひとつのものを作り上げて活用するのですから、会議の議論は白熱しケンカのようなやり取りに冷や冷やすることも。でも、そういった激しい議論によってよりよい協力が生まれるのです。私も仕事に戻った暁には、美しくなった英語を武器にそのフィールドに飛び込める、、、ハズ。イメトレしながら勉強に励みます。

カテゴリー:asukaの育児休業日記

タグ:働く女性 / 育児休業

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