2011.09.18 Sun
ちひろ美術館・東京では、東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の事故を受けて、わたしたちの未来、子どものしあわせ、いのちについて学ぶイベントを継続的に開催していきたいと考えています。
今年8月末には、ドキュメンタリー映画監督の海南(かな)友子(ともこ)さんによる、事故後の福島第一原発と周辺の人々への取材報告会を開催しました。「私の誕生日はまさに福島第一原発の稼働日。生まれてからずっとその電力を享受し、東京で不自由なく暮らしてきたことを思うと、原発事故の責任の一端は自分にもあると感じました。」と海南監督。現地の様子や、福島で出会った人々の言葉を伝え、「2011年がただの“不幸な年”ではなく、次の100年のターニングポイントになったよ、と語れるよう、“フクシマ”を生涯のテーマとして、今後も取材活動と災害支援を続けたい」と報告を締めくくりました。後半は、実際に被災された方を含む参加者と、意見交換を行いました。以下にその一部を紹介します。「海から1.5km地点で地震と津波に被災し、隣町の親戚、伊達市、箱根、東京……5人家族が4箇所に分かれて避難中です」「避難所では情報がなく自分のおかれた状況が理解できなかった」「戦後教育のように、原発後教育を徹底すべき」「エネルギーが何の犠牲の上に供与されているか無自覚だった自分が恥ずかしい」
10月2日(日)には、NPO 法人「チェルノブイリへのかけはし」代表の野呂美加さんをお迎えしてお話会を開催します。野呂さんは、チェルノブイリの原発事故で被曝し汚染されている地域に今も住む子どもたちを転地療養させる「保養里親運動」を19年にわたって進めてきました。また、今年の3月11日以降は、医師とともに医療相談会を関東で開催しています。こうした経験を踏まえて、ベラルーシでの放射能汚染の実態や、現在日本で起こっていること、そして放射能からいのちを守ることについてお話をしていただきます。質疑応答の時間を多く持ち、率直に意見交換ができればと思います。今、いのちの喪失を少しでも軽くしていくために、一緒に考えてみませんか?参加お申し込みは、ちひろ美術館のホームページからどうぞ。http://www.chihiro.jp/tokyo/event/
原島恵:ちひろ美術館・東京
カテゴリー:脱原発に向けた動き