2011.09.25 Sun
前回、ノートブックを解体したので、ちょっとまた、パソコン内部の世界に近づいた感じがして、そのままになっていたデスクトップの方の解体も進めてみました。
実は、ずっと部屋の片隅に放置していたのです。なぜか片付ける気になれず、時折、眺めていましたが、今度は、どうしても、マザーボードをはずし、CPUをソケットから抜きたくなりました。やっぱり、マザーボードをはずさなきゃ、ということで、最後の難関の一本のネジに挑戦です。でも、何なのでしょうね、このネジが、ハードディスクが入っていた硬い金属の枠に邪魔されて、ドライバーを差し込む余地がないのです。以前もこれで断念したのですが、今度は、ちょっと体力、気力のある時にやり始めました。
今度は、外のカバーをはずしたり、今まで動かなかったところをいじってみます。長年の間に、本来スポッとはずれる筈のものがはずれにくくなっているのかと、エイっと力づくでやりましたら、何か、ちょっとずつはずれて(こわれて?)きて、やっとマザーボードを取り外すことができました。
もう使わない物なので、きれいに洗いました。美しいんですよ、これが。ハンダの並びも美しく、飽かず眺めてしまいます。机の上に置いて、いつでも見られるようにしています。CPUをソケットからはずしました。白い四角い枠がCPUを取り去ったソケットです。
CPUも丁寧に洗いました。ピンの並びが実に美しい。金属の光沢にほれぼれします。これも、ついつい眺めてしまいます。変わった趣味だと言われますが、、、。
昔からメタリックな物が好きでしたが、やっぱり、美しさはこれに尽きるでしょう。
それから、関わっている団体の事務所で、最近パソコンを買い換えたのですが、古いハードディスクに情報が残っているから捨てられない、とのことで、やっぱり以前の私のように大きな筐体を置いていました。データのバックアップはとってあるのだけど、どのようにして廃棄してよいかわからない、とのこと。大喜びで、ハードディスクを抜いて壊す作業を買って出ました。事務所に行って、前にやったのと同じようにハードディスクを抜きました。私のは結構難儀したのですが、そのPCは、筐体を開けやすくしてあって、とても簡単でした。考えてみたら、メモリを増設するかもしれないし、内蔵電池を取り替えるかもしれないし、筐体を開けることはあり得るのですよね。それなのに、筐体を開けるなんて、素人には決して出来ないことと、思いこんでいました。
その事務所には、もう1人工具マニアの人がいて、その人は車のメカニズムに萌えるそうなのですが、その人と一緒に筐体を開けました。
抜き出したHDDをその場で金槌で叩いてこわしてもよかったのですが、どうせなら、中のディスクを眺めたかったので、なんとか蓋を開けようとしました。しかし、HDDには、特別な仕様のネジが使われています。ねじ山が星のような形になっています。これを回すには+や-のドライバーではなく、トルクスドライバーという特殊な形のドライバーが要ります。工具マニアの彼女は、家にはあるんだけど、と言ってましたが、私は持っていないので、そのドライバーを入手してHDDを分解することにしました。
さて、家に帰ってから早速ネットでトルクスドライバーを入手し、分解に取りかかりました。こういう工具って、なんかワクワクしますね。いくつかサイズがあって、合うのをあてがって、ネジを回すと、、、、(ワクワク)、、、、開きました! しかし、最後はこれも、ちょっと力づく。
これが、記録の書き込まれた磁気ディスクです。プラッタとも言います。この上を磁気ヘッドが動いて記録します。モーターで回転するディスクの上をかすかな空きを保って浮いているヘッドが動きますが、その空きは0.000001mmという目には見えない隙間です。ですから、外部から衝撃を与えると、ヘッドがディスクに接触してしまい、磁気ディスクに傷がついてデータがこわれてしまいます。昔のレコードは、回転する盤の上を針が接触して音を出したのですが、回転する磁気ディスクの上を磁気ヘッドが動いてデータの読み書きをする、という点では似ています。ただ、磁気ヘッドは接触しないで浮いているものなのですね。ディスク自体は、固い物なので、ハードディスクといいます。
ちなみに、昔はフロッピーディスクを使っていましたが、このフロッピーは、floppy という英語で、柔らかい、ぺらぺら、という意味です。実際に、古いフロッピーディスクを開いて、中身を取り出してみました。ぺらぺらで、よくしなう素材です。それぞれの名前の由来は、ディスクの性質からきているのですね。
それにしても、今はフロッピーディスクは、本当に使いませんね。ついこのあいだまで、このFDをいっぱいため込んでいたのですけれどね。でも、たいていの先代のPCは、まだフロッピーディスクドライブを持っていますね。ノートは早くに、フロッピーディスクドライブを省略したので、たいていの人は外付けのFDドライブを持っていましたよね。最近のは、USBで外付けするタイプだと思いますが。
そして、今の最新のPCにもまだ、フロッピーディスクの名残があります。私たちがとても頼りにしているハードディスクですが、あれをCドライブと言いますよね。では、Aドライブ、Bドライブはどれかと言うと、実はこのフロッピーディスクドライブに、AとBが割り当てられているのです。私が覚えているのは、OSやプログラムが入っているシステムディスクと、作業をしたデータを記憶させるためにもう1枚のディスク(作業ディスクとか言ってましたっけ?)があって、この2枚のフロッピーディスクを使っていた風景です。このドライブがそれぞれ、A、Bだったので、その後から登場したハードディスクがCドライブなのです。
でも、最近はハードディスクもこわれやすい、かさが高い、重いなどの欠点があって、これからはSSD(Solid State Drive)に変わっていくと思われます。
先日、アップル・ストアで超薄型のノートパソコンを見ていました。あんまりにも薄いので、「これに、ハードディスクも入っているのですか?」と驚いて聴きましたら、「いえ、これはハードディスクではなくて、実はもっと違うタイプの物が入っているんです」と、若いイケメンの店員さんが得意そうにもったいぶって言い始めます。「SSD?」とすかさずつっこんだら、「あ、ご存じですか」とちょっとがっかりしたふう。エヘン。(誰とはりあってるんだか。。。)
SSDというのは、SDカードやUSBメモリなどに使われているフラッシュメモリという半導体が内蔵された記憶媒体です。ディスクが回転するハードディスクに比べて、モーターも要らないし、ヘッドが動くのに要する時間も不要ですから、操作速度が速く、音も静かで小型です。ただ、まだ高価なので、ハードディスクに比べて、容量は少ないです。ハードディスク容量は、今ではテラが単位ですものね。でも、SSDはもっと進歩して、今後は主流になると言われています。
構造を見ても、ハードディスクは原始的な感じがします。高速回転するプラッタに、磁気を利用して、ヘッドで記録を書き込んだり読み出したりするのですが、その磁気ヘッドがくっついているアームがなんとも心細げな繊細な感じ。これを剥き出しにして、外気にさらしたらすぐにこわれるだろうと思います。デリケートなので、埃が入ってもだめらしいのです。
ところが、Youtubeを見ていると、ハードディスクを開けたまま、つまりプラッタ剥き出しのまま電源を入れてみた、というような動画がいくつもアップされています。しかも、故障したHDのケースを開けて電源を入れたら、正常に起動した、というつわものまで。でも、蓋を閉めると、起動しなくなるとか、、、。HDの世界にも、変な奴はいるものですね。
でも、HDのケースをスケルトンにするのは賛成です。プラッタが回るのを見ながらパソコンを使えるのはいいな、と、、、、。
とにかくyoutubeでは、ハードディスクを分解している手元アップの似たような動画が次から次に見ることができます。見ていますと、プラッタが2枚というのが多いみたいですけど、私の分解したのは1枚でした。同じ容量なら、枚数の少ない方が速度が速いそうです。しかし、今は大容量のHDDが使われますから、複数枚必要なのでしょうね。これらの動画を見ていて、面白い(いえ、面白くない?)コメントがあるのに気づきました。「分解は、男のロマンですな」だって。パソコン工場で組み立てているのは、パートの女性従業員も多いと思われますが、壊すだけで何がロマンだ! って、一人怒ってみたりします。
SSDになると、この機械的なおもしろさがなくなるので、それはちょっと寂しいです。鏡みたいなプラッタも、実に美しいのです。
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