2012.02.10 Fri
ワークライフバランスとは仕事と生活を「うまく」両立させること。しかし「うまく」とはどういうことでしょう?
60%+60%=120%?
ワークライフバランスについて書かれた本にこのような言葉がありました。
「仕事が60%、子育ても60%しかできなくても、合わせれば120%だからいいじゃない!」
・・・どうも納得がいかない。仕事も子育ても100%で取り組みたい人はどうしたらよいのだろう?
そんな疑問を持つ中で、岩田喜美枝さんと佐々木常夫さんの言葉に心を揺さぶられました。二人は同じことを言います。「仕事には真剣に取り組みなさい」と。
仕事は真剣に!
岩田さんは厚生労働省を局長まで勤め上げ、現在は資生堂の副社長をされています。
彼女は講演会(※1)の中で以下のように述べています。
「キャリアは仕事自体がつくるもの。チャレンジングな仕事に挑戦することでひと皮向けることができます。
そのためにも、『育児中は仕事をしないことを認める』から『育児中も仕事をすることを支援する』へ、仕事の免除から働くことの応援へ、働き方のスタンダードを変える必要があります。」
(※1: 2011年6月11日 「女性の活躍力発揮!」 NPO法人参画プラネット主催
関連URL http://tsunagalet-club.net/event2011/event110611.html )
佐々木さんは、うつ病の妻や自閉症の長男を支え、毎日6時退社しながらも家庭と仕事を必死で両立し、東レ経営研究所の社長にまで上りつめた方です。
著書(※2、3)、講演会(※4)の中で佐々木さんはこう述べられました。
「真剣に仕事に向き合うことです。そういう生き方をしている人は、言葉の重みが違います。」
「仕事を最短で済ますため、工夫に工夫を重ねた。制約がつらく、理不尽に思えたこともあった。しかし、だからこそ仕事力が磨かれていった。」
(※2、※3: 「働く君に贈る25の言葉」、「部下を定時に帰す仕事術」 佐々木常夫・著)
(※4: 2012年1月13日 「あいち仕事と生活の調和推進フォーラム」
愛知県 、あいちワーク・ライフ・バランス推進協議会 主催
関連URL http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000047/47446/foramu.pdf )
二人とも仕事と家庭の両立に「仕事60%」は採用していません。
「頭をフルに使い真剣に仕事に取り組む。それが成長につながる」。これは事実です。
昨秋、私は英語スピーチコンテストで地区大会まで出場することができました。
コンテストを意識してから、過去のビデオを見たり、資料を読んだりと、本気でスピーチに取り組みました。するとただ漫然と練習していた時に比べスキルが飛躍的に向上し、勝ち進むことができました。
挑戦することで心構えが変わり、真剣に頭を使うからこそ吸収も大きいことを実感しました。
チャレンジしなければ成長はなく、成長がなければ効率も悪く、仕事力もいつまでも上がらないことでしょう。
とはいっても、子育て中はなかなか思い通りにはならない。
「時間がない」「どうせ大きな仕事はやらせてもらえない」「私には家事も子育てもあるし・・・」
言い訳の誘惑はたくさんあります。
自分の人生の中で「何が大事なのか」
子どもが生まれてからは、仕事をやりたい気持ちと十分にできないもどかしさ、そして育児と仕事の両立に伴う余裕のなさに日々ジレンマを感じ、仕事を続けていくためには仕事が好きでも育児に軸足を移すべきではないかと半ば諦めていました。
しかし、岩田さんはおっしゃいます。「両立は可能」と。
こつは「欲張らないこと」。自分にとって大事なこと、「キャリアをつくること」と「子どもを健やかに育てること」を優先し、その他を諦めたとのこと。とても潔いです。
佐々木さんも言います。
「いちばん大切にしたいものは何ですか?
それを中心にすえた人生を送るために、どうすればいいのか考えてください。」
「『ワークとライフをバランスさせる』という発想では足りない。必要なのはマネジメントの発想。
自分が望む人生を送るために、生活と仕事をどのようにコントロールしていくかが問われている」
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスとは仕事と生活を「うまく」両立させること。
この「うまく」というのは、仕事も生活も「そこそこに適当にやる」ということではないのでしょう。
状況に甘えるのではなく、自分の人生にとって「大事なもの」を明確にし、それに「真剣に」取り組む。
仕事でも、家庭でも、趣味でも、それ以外でも、どれに軸をおいてもいい。
優先順位は人生の段階で変わってもいい。
ただし、周囲に責任と決定権を委ねず、一旦覚悟したら自分の頭を使い本気で考えて自分の人生をマネジメントする。
それこそが、ワークライフバランスなのだと私は思います。
今の私にとっては「仕事」と「子育て」がやっぱり両方大事。だから、真剣に、まじめに、取り組んでいきます!
宇宙マメ知識
ちょっとまじめ気分でお仕事の話を。
第一回で書いたように、私は国際宇宙ステーション(ISS)で行われる実験に携わっていました。
なぜ宇宙で実験するのでしょうか?宇宙にしかない環境を利用するためです。
微小重力(いわゆる「無重力」。ISSではほんの少しだけ重力があるのでこう呼ばれます)、宇宙放射線、広大な視野、高真空、豊富な太陽エネルギーなどなど。
例えば。
重力がなければ、物質が重さや比重の違いで移動したり分離したりしません。そのため、成分が均質に混ざったり規則正しく配列されることで、全く新しい材料や優れた素材が開発できる可能性があります。
ISSからは、地球の表面の約85%を観測することができます。視線を宇宙に向ければ、無限に広がる宇宙空間を大気に邪魔されずに観測することもできます。
宇宙環境が生物に与える影響を調べて対処法を検討することで、人類が宇宙で生活する時代に向けた準備となるだけでなく、地上での生活や病気等の治療に役立つ事が期待されています。(例:骨粗しょう症の治療)
では実際にどんな実験が行われているのでしょう?
実験の一覧はこちら(http://kibo.jaxa.jp/experiment/condition/)。
・・・実験名が難しくてちょっと拒否反応が出そう。
でも!ちょっと気になる実験をクリックしてみてください。
「宇宙実験サクッと解説」「入門講座」など、ちょこっと簡単に書いてある部分もあるのです。
実験ってなかなか馴染みがないかもしれません。
でも少しでも興味を持っていただけたら、とても嬉しいです!
カテゴリー:asukaの育児休業日記
タグ:子育て・教育 / ワークライフバランス / 働く女性 / 育児休業
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