2012.05.05 Sat
前回、大阪での法廷の様子をお知らせしましたが、来る5月20日は、まさに原発被害の当事者ともいえる、福島県にて民衆法廷が開催されます。
再稼動問題で注目される大飯原発を巡っても、いったい誰が「当事者」なのか、という問題に多くの人が関心を寄せました。大飯原発を中心として、10キロ圏内、30キロ圏内という同心円状の地図が新聞などでよく紹介されていましたが、じっさいにもうわたしたちは、あの同心円状の領域区分に、ほとんど意味のないことを知っています。
今回政府が、経済産業省と関西電力、そして、福島研知事らの強い要望で、「再稼動ありき」という前提のもとでおおい町で集会を開いたり、京都府や滋賀県などに対して、「理解を得るのであって、承諾とは違う」とか言っているのを聞くと、現在、土地を奪われて家族と離れて暮らす人、これまでの生活を台無しにされた人、子どもにいったいどれだけの負荷をかけてしまったのかと、自らを責める人、おびえる人、そうした人たちの気持ちこそ、踏みにじられていると、思わざるを得ません。彼女たち、かれらが侵害されたさまざまな権利を、回復するどころか、嘲笑うかのような行為といっても過言ではないでしょう。
少なくとも、現時点では、多くの小さな声のおかげで、大飯原発の再稼動をなんとか踏みとどまらせています。
しかし政府は、北海道泊原発3号機が今日停止すると、つぎは、1,2号機の再稼動も政府は睨んでいます。
民衆法廷は、多くの原発を抱える北海道でも、12月に開催することが予定されています。
法廷の判事を務めることに、わたしはまだまだなれませんが、勇気ある申立人の方々の言葉を、しっかりと受け止めてきたいと思います。一人でも多くの人が、彼女たち・かれら、現在の日本社会における原発「当事者」の言葉を聞きに来ていただけることを願っています。