2011.04.29 Fri
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「おまえは昔こんなことをいっていただろう、とオトシマエをつけなければならないはめに立たされるとは、思ってもみませんでした。」(本文p110)
オトシマエとは穏やかじゃない。「上野ゼミ、ケンカのしかたも学べたんだってさぁ・・。」とかいう声も聞こえてきそう。
本書は、東京大学上野ゼミで指導した弟子から師へ向けた、一方向ではなく双方向的な論文集である。弟子からの「挑戦状」、受けて立つ「指導教授上野千鶴子」。
上野千鶴子著作を愛してやまない読者も、まだ読んでみたこともない方も、読んでみるとうなずける。ずっと愛読してきた読者の方ならきっと、その時、その場面の思いが一瞬に呼び覚まされる感覚に浸る。そしてこれが、上野さんとの初めての出会いとなる方なら、このエッセンスのつまった本書のどこからでも、あなたの心に沈む澱のようななにかを感じとることだろう。
おなじ時代を歩いている者たちが行き交う交差点には、さまざまな風景がある。上野さんが紡ぎつづけた研究者の思いに、あなたの思いが双方向につながるとき、昨日とちがう今日がはじまる。
堀 紀美子
この記事は、新刊案内にもありますので、ご覧ください。
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