2012.03.14 Wed
★拡がるブックトーク:第12巻『男性学』
3月3日(土)、豊島区男女共同参画都市宣言10周年記念講演会「これが男の生きる道?―変化の時代をいきる―」を立教大学池袋キャンパスにて開催しました。当日は快晴。会場は261名の参加者で満席でした。様々な世代の方にご参加いただきました。
第一部は伊藤公雄さんの基調講演。男性のワークライフアンバランスな状態による“過労死”、“自殺”、“熟年離婚”や、夫婦間の愛情推移などのデータを用いながら「男性問題」について、お話いただきました。また、男性が「優越、所有、権力」にとらわれず、支配せず、依存しない、自分自身を変える、変わる大切さを力強くご講演いただきました。
第二部の伊藤さんと上野さんの対談では、被災地に行かれた上野さんが、単身男性の引きこもりに関する相談を受け、「どうして男性は『困った、助けて』と言えないの?」と具体的な男性問題をあげ、対談が始まりました。
途中、ネクタイを締めている伊藤さんに対し、「なんでそんなに自分を締め上げるの?」と上野さん。伊藤さんは壇上でネクタイを外すパフォーマンス(?)を行うなど、笑いを誘う場面もありました。
3.11以降の生活にも言及され、“生活の手触り”を男性にも実感してもらいたい。自己を解放することは、他人にはできない。人生の最期は、誰もが権力の座から降り、私の人生が幸せだったと思えるかどうかであるということが語られました。
上野さんの「介護の場面を息子が積極的に担うチャンスを女性が奪うな」という意見に、ハッとさせられた方も多かったのではないでしょうか。
参加者からのアンケートでは、「男性学の視点が新鮮でした」、「ジェンダーについて学びたい」というご意見から、「少しずつでも意識を変えようとする努力・姿勢をもつ」、「レポートトークを改め、可愛げのある人になりたい」、「男性の働き方を見直す、早く家に帰る、家事をすることなど、周りの人にも広めていきたい」などの具体的に変わろうとする男性からのご意見をいたくことができました。
講演者をはじめ、ご来場のみなさま、立教大学ジェンダーフォーラム、拡がるブックトーク実行委員会、ウィメンズアクションネットワーク、岩波書店等、関わってくださった多くのみなさまに感謝いたします。ありがとうございました。
カテゴリー:拡がるブックトーク2011
タグ:女性運動 / 本 / 上野千鶴子 / 男性学 / 伊藤公雄 / 男性問題 / 過労死 / 熟年離婚 / 立教大学池袋キャンパス / ワークライフアンバランス / 自殺