2015.06.29 Mon
今回初めて日本女性学会に参加しましたが、私が特に強い印象を受けたテーマはシンポジウムのテーマである「スポーツにおける男性性の解体」でした。
私自身は幼い頃から運動が苦手、体育の授業は何より憂鬱な人間でしたが、学校における体育のカリキュラムの問題点について今回のシンポジウムで学んだ結果、競争原理や男性中心の思考が授業に組み込まれることにより「運動が苦手な女子」が生み出されているということ、また、現在の体育プログラムでは周縁化されていく子どもたちに思いが至っておらず、できない子は教師たちに目を向けられず切り離されている、という事実に気づくことができました。
体育の授業が苦手だった私はまさに今まで「周縁から消え去っていった子どもたち」であり、その理由は自分自身の能力が劣っているからだと信じていました。 しかし、そもそも能力を測る数値の設定自体にも問題があったということ、そしてそうした問題を今後改善していくべきであることを知り衝撃を受けるとともに、失われていたスポーツに対する自己肯定感が回復したような、温かく前向きな気持ちになりました。
今後、子どもたちが性別に関係なく、自分自身の持てる身体的特徴を活かしていけるようなカリキュラムの改善に期待するとともに、スポーツの競技化・競争原理の加熱に問題意識を持ちつつ、主体的に皆が運動を楽しめるような社会づくりを私なりに目指していきたいと感じました。
また、翌日の分科会については、様々な視点を持つ方から色々な発表を聞くことができ、有意義で楽しい時間を過ごすことができました。 農業、他国のカースト制、被災地の炊き出し、NPO活動など、多種多様なテーマの発表に触れられたことはとても貴重な経験でした。 日常のあらゆる出来事が、視点を変えるだけでこんなにも多くの問題に満ちているのかと気づき、これからの社会をより良くしていくために自らが出来ることから取り組んでいきたいと思いを新たにしました。
そして、自らが参加している読書会に関連する発表については、小さなきっかけから始まったささやかな活動が、このような素敵な場で発表させていただいていることに対する喜びや気恥ずかしさ、誇らしさが入り混じったような、なんとも言えない感慨深い気持ちで聞かせていただきました。
発表していただいた方と、読書会を支えてくださっている皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。 これからも、小さなことでも細く長く、次世代に豊かで平らかな社会を遺していくための活動を続けていけたらなと思いました。
★森 智香子★
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