女の本屋

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あなたは「蝶々さん」?『日本女性はどこにいるのか‐イメージとアイデンティティの政治』北村文

2009.06.22 Mon

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<p> 本書を読んで、「日本女性」とはなにかわかると思ってはいけない。逆に、読みすすめるほどあやふやになる「日本女性」像に、いらだつむきもあるだろう。が、一歩ひいてそのいらだつ自分は、とみつめたとき、この「日本女性」を書くことへの迷いや逡巡、個人的な誠実さとみえるものが、実はしたたかな戦略であることに気づくはずだ。西洋の妄想(オリエンタリズム)のもとでは、蝶々さん、芸者、妻といった意味づけに、私はそんな「日本女性」でないと抗うことさえ「日本女性」イメージの再構築にしかならず、といってだまりこめば勝手な定義の対象となってしまう。筆者は、この強固な「日本女性」イメージに対抗するため、「日本女性」を語りながらも、それを抑圧や抵抗といった言葉で名づけることを拒み続けた。名づけずとも語れるのに、誰が、何故、その名づけを必要としているのか。女についての沈黙でも再定義でもない、これは、新たなフェミニスト的語りの試みといえる本である。 (ちびがえる)<br />
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