
Misty Copeland, New York City, 2015 © Annie Leibovitz. From WOMEN: New Portraits, Exclusive Commissioning Partner UBS
“WOMEN: NEW PORTRAITS”とタイトルされた、アニー・リーボヴィッツの写真展を見てきた。
東京、東雲の会場には、有名無名を問わず、様々な女性の個別の写真が展示され、別の大きなスクリーンにも女性が映し出されるが(エリザベス女王がいる)、これら
は少々年代が古いか。壁の展示映像は、古くても2012年作、ほとんどが‘14年、’15年だが、今年のものも含まれている。イギリスで撮ったマララ・ユスフザイ
は、最新のもの。アウン・サン・スーチーもあり、ケイティ・レデッキーは、世界記録を更新し続ける競泳選手。ヨーコ・オノになんと裸で抱きついたジョン・レノンが
あるが、これはジョンが射殺されるわずか数時間前に撮影されたという。また自らを被写体として物語のなかの様々な人物を写すシンディ・シャ-マン。日本では森村泰
昌のセルフ・ポートレートが知られている。ルビタ・ニョンゴは女優。‘15年に撮られたグロリア・スタイネムは、’70年代に「MS」誌で活躍していたころに比べればたしかに老いているが、いまだにたくましく美しい。私はこの頃滞米中で、彼女をよくメディアで見かけたものだ。懐かしい。全員がまっすぐ正面を向いているわけではないが、被写体は、鋭いまなざしと問いかけるような表情をたたえている。「これを見ているあなたは誰?」「どこにいて何をしているの?」と問われるかのように。たしかにそう、見られているのは写真ではなく、見ている私たちなのだ。スクリーンのほうの顔は、フェミニズムが勃興したときに、たくさん公開提示された女性の写真たちの一部であろう。彼女たちは、まっすぐカメラを見つめ、その表情は、本当に凛として美しい。女性がいまや一人の人間としてその存在を謳歌し始めたからだ。
アニーは、1949年生まれ。当初はローリングストーン誌で、写真家としてのキャリアをスタート。その後肖像写真家に転向し、その特徴的なスタイルで、手がけたす
べての雑誌に影響をあたえた。1999年からスーザン・ソンタッグと『WOMEN』を共同制作。ソンタグの死後もアニーは『WOMEN』を継続。
今回、UBSの支援の元、世界10都市巡回展の一つとして東京で開催された。
場所:東京東雲 TOLOT/heuristic SHINONOME
期間:2016 2/20~3/13まで
主催者:UBS AG
オフィシャルウェブサイトはこちらから
河野 貴代美

Annie Leibovitz, New York City, 2012
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