「どんな老後を過ごすか」その新しい幸せのカタチを描いたノンフィクション
著者の工藤さんがこの本を書いたきっかけは、「あれ? 何かが変わった」という違和感でした。
60歳を過ぎ、波風を立てずに人生を終わらせようと思っていた工藤さんと同世代の女性たちが、次々と熟年結婚を決めました。「ひとりが楽しい」「女友達が大切」と言っていた彼女たちがなぜ「後妻という生き方」を選んだのか――
やがてその疑問は、「関西連続不審死事件」や有名人の「後妻」を巡る報道の中で膨らんでいきます。遺産狙い、前妻の子供や家族とのトラブル・・・・・・「後妻」につきまとうイメージは決して明るいものではありません。
翻って、工藤さんの身近にいる「後妻」はどうか。彼女たちは後半生を迎えて人生を仕切り直し、大きな決断をして幸せをさがす前向きな女性たちでした。
それは「おひとり」でもなく、「今横にいる夫」でも「離れて暮らす子供たち」でもなく、老後を過ごす上で新しい幸せの1つになるのではないか。
そんな思いの中で、2015年の春、『女性セブン』で「後妻白書」の連載はスタートしました。お陰様で連載中から大きな反響を得て、この度、単行本として出版しました。
工藤さんはあとがきで、こう書いています。
<健康な老人たちが生活の安寧を求めて、共に暮らすパートナーと結婚する。それは恥ずかしいことでも、突飛なことでもない。一部の裕福な階層の特権でもなくなった。/誰だって幸せを求めて生きている。熟女と呼ばれる年代の女性たちだって同じだ。/六十歳の女性が九十歳まで生きるとしたら、まだ今まで生きた時間の半分を、これからも生きるということだ>
こんな生き方もあるのか。そう思っただけで、ちょっと気持ちが軽くなりました。そんな感想も頂いています。ぜひ皆さんも、お楽しみください。(編集者)
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