ご存知の方も多いだろうが、がんを予防するには、野菜を350グラムと、果物を200グラム食べることが推奨されている。
実際にこれだけの野菜や果物を日々食べ続けるのは、結構たいへんだが、「乳がん」を経験した私は、意識的に摂るようにしている。
外食の際は単品料理ではなく定食、あるいは麺類が食べたいときには、もう一品、野菜の小鉢を追加して…と、考えながら食べている。
病気をする前は、たまにしか食べなかった果物は、ほとんど毎日欠かさず食べるようになった。
この話をヨガの指導者であるRさんにしたところ、その場で、1冊の書籍をすすめてくれた。
松田麻美子著『50代からの超健康革命~「第二の人生」を幸福に過ごすために~』だ。現在、40代半ばのRさんは、まだ20代だった頃から、この健康法を自身の生活スタイルのバイブルとして取り入れ、本をいつもそばにおいているそうだ。
彼女はもともの美形だが、ヨガの効果もあるせいか、肌もつやつや、スリムで理想的な体型をしている。
特に彼女がこだわっているのは、朝食は果物だけしか食べないこと。
それだけでは、とてもお昼ご飯はんまでできそうもない…と思った私の気配を、いち早く感じた彼女は、自分の好きな果物を、お腹いっぱい好きな量だけ食べてよいのだから、むしろストレスもたまらないと、強調した。
それでも昼食までに、どうしてもお腹が空いてしまったときには、ナッツ類を少し食べるなどの工夫をすればいいらしい。
この食事健康法は「ナチュラル・ハイジーン」と呼ばれるもので、生物学の専門家で、アメリカ在住の松田麻美子さんが研究してきた方法論で、日本よりむしろアメリカで広く知られている。
人間は昔から、生野菜や果物のような自然なものを食べてきたことに着目し、そうしたものこそ優れた栄養源であり、消化するのに身体の負担がなく、健康によいとする考え方だ。
つまり、果物と野菜こそが「人間の身体にふさわしい食事」であり、人間が生きていく上で必要な栄養であるビタミン、ミネラル、酵素、炭水化物、たんぱく質、アミノ酸、脂肪酸などすべてが含まれているという理由からだ。
たんぱく質と聞くと、すぐ肉や魚などの動物性たんぱく質が思い浮かぶが、意外にもブロッコリーなどにも多く含まれ、しっかりとこれらの野菜を食べていれば、栄養に過不足はないとしている。
朝の時間帯は、人間にとって貴重な「排泄の時間」という考え方は、ヨガの生活スタイルと共通している。
私は「乳がん」の手術後は、主食を玄米に変え、朝も茶碗1杯の玄米ご飯に、野菜や海草、豆類を中心としたおかずを、せっせと食べてきた。もっと栄養を摂らなければ…と考えるあまり、ついつい食べ過ぎてしまうことも多い。すると、からだがどっしりと重たく、ごろりと横になりたくなることが度々あった。
しかし、朝の食事を果物だけにすると、からだがとてもすっきりとする。特に、早朝のジョギングの後、作りたてのジュースを飲むと、からだに栄養がスーと染み渡るような感覚を覚えるようになった。
果物の水は栄養を運び、老廃物を洗い流してくれる輸送の役目をしてくれることが、なんとなくわかる気がする。
果物には豊富な酵素が含まれ、この酵素が消化吸収や毒素の排泄、病気を治す力となっているという。
さらに果物の果糖は、それぞれの果物が持つ独自の酵素によって消化され、すぐにエネルギー源となる。砂糖とは違って、果物の豊富な繊維によってゆっくりと糖が吸収されため、急激に血糖値が上がることはないらしい。
昔から「朝の果物は金」ということわざは知っていたが、その科学的な根拠を示したの「ナチュラル・ハイジーン」といえるだろう。
この理論を日本でも広めている松田麻美子さんは、正しい食事によってこそ、ひとが本来持っている治癒力を最大限に発揮させることができ、健康を取り戻せるという信念を、次のような言葉で表現している。
「どんな名医であろうと、あなたの代わりにガン撲滅に不可欠な、新鮮な果物や野菜が豊富な低脂肪のプラントベースの食事をしてくれませんし、医師がタバコやお酒をやめ、毎日新鮮な空気やサンサンと輝く太陽のエネルギーを浴びながら、活発に運動し、あなたのために十分な睡眠や心の栄養をとってくれたとしても、それはあなたにとって何の助けにもならないのです。これらはすべてあなた自身で行うしかないことなのです。自分の体のためにいいことをしてあげれば、乳ガンは予防も改善も可能だということを忘れないでください」(『女性のためのナチュラル・ハイジーン』)。
私は、午前中にヨガをするときは、朝食はなるべく果物中心にしている。緑葉色野菜にフルーツや豆乳を加え、ミキサーにかけて作る「グリーン・スムージー」を朝食代わりにすることもある。
しかし、昼食をきちんと食べる時間がとれそうもない忙しい日は、朝からご飯やパン、イモ類などの炭水化物もしっかりと摂っている。
私のやり方は「ナチュラル・ハイジーン」の立場からみると、実に適当だが、ひとつの方法論に固執しないと決めている私は、からだの変化を感じ取りながら臨機応変にやっていきたいと思う。
よく食べる果物は、バナナやりんご、キウイ、柑橘類など。この季節は桃やブドウも頻繁に食べている。高価なものは、続けられないこともあって、無理して買うこともない。
特別な食品やサプリメントも摂らないが、ほとんど毎日、快便でお腹がすっきりしている。果物をあまり食べていなかった頃とは大違いなのだ。
体重にほとんど変化もなく、からだがとても軽く感じる日々を過ごしている。

書の作品を随時アップしているFacebook のページより~ Setsuko Nakamura
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