世代をつなぐーー京都の女性彫刻家たち  
 2016年12月13日(火)〜12月18日(日)  
   12:00〜7:00pm(最終日 〜5:00pm)
場所:ギャラリー ヒルゲート http://www.hillgate.jp/


2015年から続けてきた「世代をつなぐ」シリーズの一環です。 立体の制作には制約も多く、はたして京都に何人の女性作家が存在するのかさえもわからない状況でした。各方面からご推薦いただいて、22人の、80才代から20才代までの作家に出会うことができました。まずは、この頼もしい存在と作品を知っていただきたいと思います。
 そして、今回出会えなかった方も含めて、多くの女性作家が困難を乗り越えて、「自分の表現」を追求しつづける契機のひとつに、この展覧会が少しでも役立つことができれば、と願ってやみません。
 なお、今回は各作家の所属、肩書きなどは省略しましたが、京都彫刻家協会をはじめ、日展、二紀、行動等様々な発表の場で御活躍のことを申し添えます。
                              人見ジュン子  ギャラリー・ヒルゲート



  私が彫刻制作を始めたのは今から56年も前である。女性が彫刻を制作することは、スペース、素材、時間、制作費の点で平面制作より大変である。その上、女性にはいろいろなハードルが待っている。
 私の場合、出産、三人の育児、病気の親の介護、夫の海外研究による不在などで10年余りは細々とアイディアスケッチをしたり、ネンドでミニチュアを作るだけで終わり、出展などは考えられなかった。子供が寝静まった後、毎日一ヶのミニチュアを作ることを自分に課したのである。この間全く制作を止めていたら、再び立ち上がれなかっただろう。振り返るとこの時間が、その後の制作の原動力になり、糧となり、制作のテーマとなっていると思う。
その後、嵯峨美大で教職のチャンスを与えられ、私の勉強してきたことを総合的に生かすことが出来た。この頃から絵画を出展したこともある二紀展に出展を始め今年で33年目になる。
 彫刻制作の方は社会に出てみて感じた男社会の矛盾が "人と人”のテーマになり、さらに発展して、性別に関係なく存在する "人と人”との関係、そして現在はもっと広く外に目を向けて "人と社会” "自然と人工” "人間と神”を見つめ表現しようとしている。
 今回ギャラリーヒルゲートの企画で「京都の女性彫刻家たち」をテーマにやらせていただくことになった。どんな作品が集まるのか楽しみにしている。    
                              伊勢 信子(代表)