竹信美恵子さんによる記事です。【マイナンバーの「落とし穴」、「ひも付け」義務化で切り捨てられる人たち】
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73138

突然出てきたマイナンバー「ひも付け」義務化計画
自民党が、マイナンバーの銀行預金口座などへの紐づけの義務化へ向け、今国会にも議員立法を提出するという。
理由の一つとして挙げられているのが「コロナ対策の給付金が個人や弱者に迅速に届く仕組みづくり」だ。
背景に、一律10万円の特別定額給付金の受給権者が「世帯主」とされ、「世帯主以外の女性や弱者、個人に届かない」との批判が高まっていることがある。
そうした声への対応策としてマイナンバーの強化が持ち出された形だが、マイナンバーは本当に女性や社会的弱者を救うのだろうか。
そもそもコロナ災害をめぐる給付金では、当初、世帯主の損失の度合いを基準に1世帯30万円案が発表された。だが、これでは共働き家庭の損失が反映されにくいなどの批判が出て、一人当たり10万円の個人ごとの給付金となった経緯がある。
ところが総務省ホームページで、「給付対象者は(基準日に)住民基本台帳に記録されている者」とする一方、「受給権者は、その者の属する世帯の世帯主」として、申請も受け取る権利も世帯主にあると書かれていたことから、波紋が広がった。
これでは世帯主以外は受け取れないという声が上がり、DVや児童・高齢者虐待から逃げている被害者については、支援団体の申し入れによって、本人が受け取れるとする通知が出された。また、親による専有を心配してか、文科省が大学や教育委員会に対し、学生に支給を知らせるよう促す通知も出された。
だが、同居の非世帯主たちはそうした特例措置の外に置かれ、特に女性たちから不満の声が上がった。「世帯主」とは生計を同じくする集団の代表者にすぎず、女性でもなれる。だが、国民健康保険法の世帯主は「主として世帯の生計を維持する者」と定義されていることもあり、男女の賃金格差が大きい現状で、世帯主の9割以上が男性だからだ。

記事の続きはこちらでお読みください。→ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73138 ドイツなど迅速な給付が行われた海外の国々は、マイナンバーのおかげというより、個人の「確定申告」制度が原則で、そのための口座がすでにあり、ここへの振り込みがすぐにできたこと、これと、口座がない人向けの「小切手送付」の2本立てで迅速な給付を支えた、などの記事が続いています。