独身と、ひとり暮らしのお話が詰まった本です。もとになったのは、読売新聞で6年続く「シングルスタイル」という、ひとりのページです。55歳独身女性編集長(この本の編著者)が切り盛りしていて、すべてが当事者目線。だれも上から見ないぬるさが特徴です。
本は、シングルが気になるこよみやライフイベントをたどっていきます。年末年始の過ごし方、ひとりで災害に備える、そうは言っても婚活が気になる、マンションを買うかどうか。そして、シングルで親を見送ること、孤独死のこと、だれがお墓に入れてくれるのか、などの話も。登場するのは、ふつうの「ひとり」ばかりです。
自分で決めてひとりで生きる人もいるけれど、なんとなく選択を先送りしながらひとりのまま生きてきて「これでよかったのかな」ともやもやしたり、世間の視線が気になったりしている中高年は少なくありません(編集長もそのひとり)。でも、それではやっぱりもったいない。
本は、「隣のシングルはどうしているのか」と、情報を共有しあい、この先どんなリスクが待ち構えているかをこわごわ見ながら進みます。みんなで直視することで、軽くなる不安もあるはずです。いま何となく元気が出ないシングルが、ちょっと強がりながらでも自分の人生に「いいね!」を押して、足取り軽く歩いていけるようにと願って作った本です(けっこうすごい野望……)。若い人たちにもぜひ、参考にしていただきたいです。
*もくじ
第1章 年末年始
第2章 ひなまつり
第3章 防災の日
第4章 婚活
第5章 ソロウェディング
第6章 住む その1
第7章 ひとり遊び
第8章 自粛する
第9章 定年退職
第10章 親を見送る
第11章 住む その2
第12章 仕舞う
v 第13章 遺す
第14章 自分を語る
2021.04.03 Sat
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