ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。 ――――福島第一原発 ほか原発一同

著者:加藤就一

書肆侃侃房( 2021/03/04 )


あなたは、原発について、どれくらい知っているでしょうか。

『ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。――――福島第一原発 ほか原発一同』は、原発についてのドキュメンタリー番組を作り続けてきた日本テレビディレクター、加藤就一さんの初めての著書です。日本各地の原子力発電所は言うに及ばず、チェルノブイリ、アメリカのスリーマイル島、原発をやめると宣言したドイツにまで足を運び、取材を続けてこられたことを私は知っています。この本は、書かれるべくして書かれた本です。

多分、この本を読んだ人はまず愕然とし、その驚愕は怒りへと変わるはずです。そうです。私たちは政府や原子力委員会、各電力会社から、原発とは何か?というとても大事なことを何ひとつ知らされてこなかったことに気付かされるからです。

一度運転を始めたら、その時からずっと空と海に放射能を捨て続け、止めることはできず、たとえ停止して検査をしている間もずっと放射能を捨て続けていること。廃炉には莫大なお金がかかり、その費用は私たちが電気代と一緒に払わされているということ。気の遠くなるような天文学的数字の長い年月をかけないと廃炉は終わらないこと。冷却し続けないといけないので常に水を必要とし、高温になったお湯を海に捨て続けていること。それが海水温が上がり続ける原因にもなっていること。日本は先進国の中で唯一、ガン死が増え続けている国であること……。

原子力発電は、安心、安全でもなく、ましてや安価でも何でもなかったのです。私たちは、半永久的に負の遺産を背負わされることになるということを、皆さんに知ってほしい。それが、加藤さんと私の願いです。

書肆侃侃房 編集 田島安江