この度、大阪大学の助教で、家族社会学がご専門の元橋利恵さんが、
2月に『母性の抑圧と抵抗』(晃洋書房、2021)を上梓されました。
元橋さんはこれまでWANの総会イベントでもご登壇されるなど、WANでも活躍されている若手研究者です。

出版を記念して書評会(3/29収録)を行ないました。いま注目が集まっているマザリング(母親業)、ケアの倫理、ケア・フェミニズム、現代的な母性の抑圧にご興味のある皆さま、ぜひご視聴ください。

この書評会では、WANでお馴染みの方が続々と登場されます。

第一部の書評セッションでは、大阪府立大学名誉教授の伊田久美子さんから、マルクス主義フェミニズムと課題を共有する観点からコメントをいただき、また大阪市立大学の古久保さくらさんから、ご自身の母親業経験をふり返りながら、歴史学、教育学の観点からコメントをいただきました。

第二部の座談会では、「日本社会における母親業と、その『論じにくさ』を考える」をテーマに、第一部の評者の伊田さん、古久保さんに加えて、大阪大学の牟田和恵さん、同志社大学の岡野八代さん、日本女性学研究会の荒木菜穂さんと一緒に議論しました。70年代からの母性抑圧の変遷や、ケアの倫理とマルクス主義フェミニズムとの接点、親密性と暴力の問題、交差性と代表性の難しさ、そして「『さようならお母さん』と言われるってどんな気持ちなのか」、について話題が及びました。全体司会の神戸学院大学講師の山口真紀さんの絶妙な采配で、母親業の「論じにくさ」を非常に「論じやすい」会となりました。

Peatixよりご登録の上、無料でご視聴いただけます。
https://strategicfeministmaternalism.peatix.com/
(Peatixサイトに飛びます)

みなさま、ぜひご注目ください!(對馬果莉・つしまかり/同志社大学グローバル・スタディーズ)


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母性研究の現在地!

元橋利恵著『母性の抑圧と抵抗――ケアの倫理を通して考える戦略的母性主義』(晃洋書房、2021)オンライン書評会

現代における母性の抑圧を明らかにし、政治的にケア実践を語る運動に着目しながら、抵抗する主体として「母」を捉えなおす、フェミニストによる待望の母性研究!!
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2月に『母性の抑圧と抵抗』を出版された元橋利恵さんをお迎えした書評会です。母親業やケアの倫理を論じる上で、これ以上ないメンバーにお集まりいただきました。現代の母性主義やケア論にご興味のある方はぜひご覧ください。

〇書評セッション
著者解題 元橋利恵(大阪大学助教)

コメント1 伊田久美子(大阪府立大学名誉教授)
「労働としての母性とセクシュアリティ:マルクス主義フェミニズムの残した課題」

コメント2 古久保さくら(大阪市立大学)
「『母親業』経験者として『母性の抑圧と抵抗』を考える」

〇座談会 「日本社会における母親業と、その『論じにくさ』を考える」
参加者
荒木菜穂(日本女性学研究会)
岡野八代(同志社大学)
對馬果莉(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科)
牟田和恵(大阪大学)
(著者と評者のおふたりも座談会に参加されます)

山口真紀(神戸学院大学講師・全体司会)


配信期間:4月7日~9月7日
参加費:無 料
主催:『母性の抑圧と抵抗』書評会実行委員会
問い合わせ先:rmotohashi@hus.osaka-u.ac.jp