「体育で男子より早く走ったら、女のくせに生意気と言われた」 「母が弟に跡継ぎなんだからと言っているのがなんかモヤモヤする」

これは読書会に参加した10代の女の子のコメントです。

ガールスカウト浜松市協議会とNPO法人浜松男女共同参画推進協会は、WANジュニアプロジェクト企画のオンラインイベント『十代の女の子たちへ 上野さんと話そう!』にエントリーしました。イベントは来年ですが、10月と11月に事前読書会を開催しましたので、その様子について今回はレポートします。

上野さんとのイベント前に読書会を開催しようと思ったのは、本を読むだけならひとりで読めるが、気持ちを言語化しないと上野さんにうまく質問できないのではと思ったからです。またジェンダーに関する話は、価値観にも触れる話になるため、お互いどんな人なのかを知っておいたほうが良いだろうと思い、2回開催することにしました。

読書会に集まったのは小学5年生から大学4年生の女の子たち。
本を読み終えている人も、途中までの方もいました。
はじめに、参加者の自己紹介とイベント参加の動機を聞きました。 東大祝辞をみて、上野さんが女性学を作った人だから会ってみたかったと発言する女の子もいました。 それぞれの自己紹介が終わると、ワークシートを配布しました。 ワークシートには1~4の設問が書いてあります。

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1:「女の子だから、男の子だから」という理由で差別、区分された経験はありますか?
2:本を読んでどう感じましたか?自分の経験と重なるところがあれば教えてください
3:上野さんにきいてみたいこと (本以外のことでもOKです)
4:参加者同士で話してみたいことはありますか?
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時間がなかったこともあり、記入する時間は設けずそのまま話はじめました。
はじめに、ワークシートの1の女の子だからと差別・区別された経験について話してもらいました。

日常生活でモヤモヤした出来事を話してくれる方もいましたが、差別を受けた経験はないと語る方もいました。

その後、上野さんの本にある、Q1~Q44の質問中で、気になった問いを3つ選んで、どうしてそれを選んだのか、どう思っているのかを発表してもらいました。

▼Q1~Q44の問いを並べて、関心のある問いを選んでもらいました。

理系分野の研究者を目指している女の子からは、自分は周囲から理系進学を応援されているけれど、本の中のように反対されるのはかわいそうと話す方もいました。
またお墓に関する質問を取り上げた方に理由を聞いたところ、冒頭の「お母さんが弟に跡取りなんだからというのがモヤモヤする」という発言がでていました。

女偏の漢字が明るくないという文章から、皆で女偏でも明るい漢字はないのかと考えました。嬉しい、好きという言葉があると大人たちから教えてもらいました。

話していると、どの質問を選んだかで、その人となりが見えてくる部分もあり、だんだんと学校の話や将来の夢の話などでも盛り上がりました。ひとり3つ選んだのに、時間がなくて1つずつしか発表できませんでした。
最後に、上野さんに質問したいことは?という質問をワークシートに書いて、発表し、終了しました。

上野さんに会いたいという思いから始まった読書会でしたが、参加者の皆さんの価値観や思いを知ることができ、とても楽しい2時間でした。

ある女の子は1回のみの参加の予定でしたが、「楽しかった」と2回目も急遽参加となりました。

2回目も同じ手順で進めましたが、1回目に参加した女の子たちも1回目以降に感じたことを発表してくれて、同じ進め方でも十分楽しめました。
1月4日の上野さんとのセッションで彼女たちがどんな反応をするのか、今からとても楽しみです。
上野さん、よろしくお願いいたします。