2025年4月23日(水)17時 国会議員会館前で、「選択夫婦別姓制度を実現しよう女性団体 大集会」 を開催!

【声明文】2025年3月
選択的夫婦別姓に反対する都議会議員・国会議員候補には投票しません
平和を求め軍拡を許さない女たちの会
代 表 田 中 優 子
今春の国会に選択的夫婦別姓が重要な議案として上程されることが予想されていますが、これに強く反対している議員がいます。私たちは、以下に述べるとおり、選択的夫婦別姓の導入が絶対に必要と考えておりますので、本年6月に予定されている東京都議会議員選挙及び7月に予定されている参議院議員選挙において選択的夫婦別姓に反対する候補者には投票しません。
1.選択的夫婦別姓に反対する議員への反論
【夫婦同姓の定めがあるのは世界中で日本だけです。】
憲法第24条第1項は、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として(後略)」と定めています。しかし、民法第750条が夫婦同姓を定めているため、実際には結婚の時にほとんどの女性が夫の姓に改めています。夫婦同姓は世界的には異例な制度で、法務省の調査によれば、現在日本以外の全ての国で夫婦別姓が認められており、日本は夫婦同姓を強制する唯一の国です。国連の女性差別撤廃委員会は、「日本では女性が夫の姓を名乗ることを余儀なくされることが多く、女性のアイデンティティーや雇用に悪影響を及ぼしている」と指摘し、日本政府に対して夫婦同姓を定める民法を改正するようこれまでに4回も勧告を出しています。
【家族の絆と子供の幸福は、同じ姓から生まれるのではありません。】
選択的夫婦別姓に反対する議員は、夫婦別姓になれば、家族の絆が失われ、子供がかわいそうだと主張しています。日本は夫婦同姓を強制する唯一の国なので、反対議員の主張によれば、日本以外の全ての国で家族の絆はなく、子供は不幸なことになってしまいます。しかし、諸外国で夫婦別姓制度は問題なく運用されており、別姓であるために反対議員が主張するような問題が生じた例は知られていません。日本でも、離婚、再婚、国際結婚、事実婚等の事情で親と子の姓が異なることは珍しくありませんが、姓が異なるために子供が不幸になった例は聞いたことがありません。互いに親と子であることを認識している以上、姓が異なるからと言って何がかわいそうなのか理解できません。家族の一体感は、人間関係から生まれるものであって、姓が同じであることから生まれるものではありません。
【夫婦同姓制度の下では、別姓を希望する人は結婚できず、夫婦の相続権もありません。】
現行民法の下では、別姓を希望する人は結婚したくてもすることができません。このような人たちは、事実上夫婦として暮らしていても、法律上夫婦に与えられる相続権などの権利を持つことができません。選択的夫婦別姓制度が導入されれば、これらの人たちも結婚して法律の保護を受けることができますし、(日本人は結婚しないと子供を作らない傾向が強いので)子供を作り易くなります。
【夫婦同姓は、日本古来の制度ではありません。】
反対議員は、また、夫婦同姓は日本社会に定着した制度であると主張していますが、夫婦同姓制度が成立したのは明治31年であり、江戸時代の庶民は通常は苗字を使わず、使う階級では夫婦別姓でした。二千年を超える日本の歴史の中で百年余りしか続いていない夫婦同姓を「定着した制度」と呼ぶのは間違いです。
以上に述べたとおり、選択的夫婦別姓に反対するいずれの理由も反対するためのこじつけであり、納得できるものではありません。
2.旧姓の通称使用拡大案の問題点
【夫婦同姓制度の下で、女性は不利益・不便を被っています。旧姓の通称使用拡大は、夫婦同姓制度の小手先の修正に過ぎません。】
現在では大半の成人女性が職業を持って社会に進出しており、共稼ぎ所帯が一般的になっています。また、晩婚化が進んでいるので、女性がキャリアの途中で結婚に伴って姓を改めることの不利益や不便が顕在化してきています。その結果、多くの女性が結婚後も通称を使用していますが、公的諸手続その他の場面で通称使用が認められておらず、女性は不便を被っています。企業も、また、雇用する女性の改姓に対応するために多大の負担を被っています。選択的夫婦別姓に反対している議員たちもこれらの不便を認識しており、旧姓を通称として使用できる範囲を広げることによって、この問題を解決しようとしています。しかし、この解決策は、便宜的に旧姓の通称使用を認めるものであって、基本的に夫婦同姓制度である点は変わらず、女性は結婚時に夫の姓に改めることを事実上強制されます。
【旧姓の通称使用拡大によっては解決されない問題があります。】
通称使用の拡大によっても解決できない問題があることが広く認識されています。特に海外では旧姓を通称として本名と同様に使用することを認める制度が存在しないため、様々な支障が生じることが指摘されています。たとえば、通称では外国からのビザ取得が難しい可能性がありますが、この問題について、反対議員の中には入国にビザが必要な各国政府に事情を説明して、承認を取り付ければよいと主張する人もいます。しかし、それでは国連の女性差別撤廃委員会から廃止勧告を受けている夫婦同姓制度を世界に喧伝することになります。反対議員たちは、世界に向かって日本は女性差別国であると公言することを恥ずかしいと思わないのでしょうか。
3.家父長制と女性の基本的人権について
【議員の一部が選択的夫婦別姓に強く反対する本当の理由は、家父長制の維持存続です。】
選択的夫婦別姓制度の下では、夫婦同姓を望む人は夫婦同姓を選択することができます。通称の使用を継続したい人は、それも可能です。それなのに、なぜ無理な理屈をつけてまで夫婦同姓を強制しようとする議員がいるのでしょうか。この疑問について、唯一考えられる答は家父長制の維持存続です。家父長制は、結婚の時に妻の姓を親の姓から夫の姓に改めさせ、子供も夫と同じ姓を名乗らせることによって妻子を夫の配下に置こうとする古典的な男尊女卑思想の産物です。日本弁護士連合会も、「家父長的な家族観・婚姻観や男女の固定的な性別役割分担意識等がいまだに無言の圧力として働いている」と指摘しています(2024年6月4日付決議)。
【選択的夫婦別姓に反対する議員たちは、本当の反対理由が家父長制の維持存続であることを隠して、子供のせいにしています。】
憲法第24条第1項によって夫婦の平等が定められ、家父長制はすでに存在していないのに、いまだに家父長制に固執している議員たちは社会の変化を認めたくないのです。そして、それらの議員たちは、選択的夫婦別姓に反対する本当の理由が家父長制の維持存続であることを決して公言しようとせず、子供にかこつけた無理な理屈を唱えています。これは、彼ら自身、本当の理由を明らかにすれば、国民からの大きな反発に遭うことがわかっているからです。
【選択的夫婦別姓の導入は、女性の基本的人権に関わる課題です。】
それらの反対議員たちは、選択的夫婦別姓は旧姓の通称使用拡大によって解決される便宜的な問題と考えているようですが、これは単なる便宜的な問題以前に女性の基本的人権の問題です。最高裁判所は、氏名を「人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成する」と判示しています(1988年2月16日最高裁判決)。そして、結婚の時に姓を変えなければならない多くの女性が自分のアイデンティティ(自己同一性)を失ってしまうと感じています。反対議員たちにお尋ねしたい。あなたは、キャリアの途中で「通称を使えば不便はないから姓を変えなさい」と要求されたら、喜んでそれに応じるでしょうか。
【政府と国会は、選択的夫婦別姓制度を導入するための法制審議会の民法改正法案を30年近く放置した責任を果たすべきです。】
1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓制度を導入する「民法の一部を改正する法律案要綱」を答申したにもかかわらずこれを30年近くも棚ざらしにして、制度の導入を怠った政府と国会の責任は重いと言わざるを得ません。女性差別撤廃の観点から、選択的夫婦別姓制度を導入することによって失われた30年を取り戻すべき時期が到来しています。
私たちは、以上に述べた理由から、本年6月に予定されている東京都議会議員選挙及び7月に予定されている参議院議員選挙において選択的夫婦別姓に反対する候補者には投票しません。
以 上
↓声明文_長文

↑短縮版声明 記事はじめの声明文のPDFアイコンから、声明文はダウンロードできます
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2025年4月23日(水)17時 国会議員会館前で、「選択夫婦別姓制度を実現しよう女性団体 大集会」 を開催します。
#夫婦別姓反対議員には投票しません
#いつまで待たせる夫婦別姓
詳細は https://wan.or.jp/article/show/11827
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