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長年、慰安婦問題と基地問題に取り組んできた著者による新境地。
英国の公文書資料を用いて、19世紀英国がインドなど植民地において行っていた、軍隊における売買春の管理の実態に迫ることで、帝国主義国家が行っていた政策の変遷を解明しようというもの。
英国は売春婦に強制的に検疫を課すことで、性病を抑制しようとするものの、ジョセフィン・バトラーら女性活動家の運動によってこれが抑制されていく。
日本軍とドイツ軍の性暴力は、規模が大きいとされるが、これは戦線が大規模化し兵士の行動を抑制しようとしたものでもある。
19世紀の帝国主義から俯瞰して、軍隊の性暴力がいかに管理されてきたかという視点で見た場合、いままでとは異なる視点で「基地と性暴力」の問題が見えてくるであろう。その起源を問う、問題作である。