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北海道

被爆70年ジェンダー・フォーラムin広島2015

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主催者: 被爆70年ジェンダー・フォーラムin広島実行委員会
主催者URL;
開始日時: 2015年12月19日 (土) 09時15分
終了日時: 2015年12月20日 (日) 18時00分
会場: 広島市留学生会館(予定)
会場URL:
連絡先: 082‐211‐0266
登録団体:
パンフレット:
詳細: 【表面】
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被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
Gender Forum in Hiroshima
2015年12月19日(土)・20日(日)
場所:広島市留学生会館(予定)

主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会 【連絡先】 TEL : 082-211-0266 / E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金・ヒロシマピースグラント2015助成金取得

〈思考する広島へ〉
1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、今日では「緑と水の美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆による被害地として世界に向けて「平和希求メッセージ」を発信している。しかし、その「国際」「平和」「文化」の内実は問われることなく、ひたすら「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけのスローガン都市になっているようにも見える。本フォーラムは「ジェンダー視点だけでは世界は語れないが、ジェンダー視点なしでも世界は語れない」ということを共通認識とし、「廣島・ヒロシマ・広島」をジェンダー視点で検証する。そして、これまでとは違った「平和」への回路を拓くために、「ヒロシマという視座の可能性」を探る試みである。

【裏面】
 広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、被爆や原爆表象が無罪無垢の女性被害者として「女性化」「母性化」される傾向にあること、広島の被害が強調されることで加害の側面が不可視化されること、被害者を「日本人」だけに捉えがちなこと、呉・岩国という日・米基地を周辺に持つ広島で性暴力事件が起きていてもほとんど問題にされないことなど。こうした傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、閉ざしたのだろうか。そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁進する日本政府にあらがう力となり得ているのだろうか。
 これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われてきたが、被爆から70年の節目を迎える今日においてさらにそれを推し進めたい。そして図らずもジェンダー視点が不十分であるがゆえに、誰と、何と出会い損ねていたのかを検証し、新たな連帯への道を拓く。そのための強力な〈磁場〉となるべく、これまでジェンダー視点やフェミニズムに関心を持ってきた、あるいは持とうとする市民、学生、研究者らが集い、〈思考する広島〉へと一歩をすすめる。

《第1日目: 12月19日(土)》
⑴ 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り――司会:木村尚子(広島市立大学)
 広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女性化」、「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の母子像」「サダコ」「夢千代日記」などがその一例として挙げられるのではないか。一方、軍港都市・呉は、10年前に開館した大和ミュージアムに象徴されるように、「記憶の男性化」が進行しているように見える。はたしてこの広島と呉のあいだは無関係と言えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆表象、都市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな政治性が生まれてきたのかを考える。
登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/河口和也(広島修道大学)/森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/中岡志保(施設職員)/平井和子(一橋大学)

⑵ つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
 1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代になってようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日米の深い傷を背負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだったのか。マイノリティと連帯してきたとは決して言えない歴史をもつ広島は、在日・在韓朝鮮人被爆者、東日本大震災による重大な原発事故に苦しむ福島の人々、辺野古への米軍新基地・高江へのヘリパッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人々――こうした人々のアイデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの要素を帯びている――とどのような形でつながることができるのだろうか。その回路を探る。 

登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島大学)/松本麻里(批評家)/木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)/村上陽子(成蹊大学)/東琢磨(批評家)

《第2日目:12月20日(日)》
⑶ つながるために そのⅡ――司会:安錦珠(広島大学)
 戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当化するアメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃絶を訴え続ける日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、それによって解放されたと考えるアジアの人々。こうした引き裂かれた状況と向き合い、対米従属に突き進むことなく、東アジアとのつながりのなかにヒロシマを位置づけることはできるのだろうか。ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を横断するフェミニズムの試みについても考察しながら、その可能性を考える。
登壇者:高橋博子(広島平和研究所)/直野章子(九州大学)/鄭暎恵(大妻大学)/アンドレア・ゲルマー(九州大学)/阿部小涼(琉球大学)

⑷ フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
 敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体であったこと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチアガール」でもあったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制度を受容してきたことなどを考えれば、「女」に位置づけられ、「女」(または「婦人」)として運動してきた人々も国民・民族に依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定できない。それらの矛盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語り直し、ヒロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリティ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な「ヒロシマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、〈わたし〉たちはどのような回路を拓けば、ヒロシマを個の生存と深い関わりを持つ課題として捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉たちはどのようにつながりうるのかについて考える。「思考する広島」へ、一歩でも近づくために。
 登壇者:米山リサ(トロント大学)/マヤ・モリオカ・トデスキーニ(ジュネーブ大学)/上野千鶴子(東京大学)/加納実紀代(女性史研究者)

⑸ 2日間の全体討論

詳細パンフ9月発行予定