イベント情報

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京都

女性戦争人権学会 2015年大会

イベントURL: http://www.war-women-rights.com/
主催者: 女性・戦争・人権学会
主催者URL; http://www.war-women-rights.com/
開始日時: 2015年10月25日 (日) 10時00分
終了日時: 2015年10月25日 (日) 17時30分
会場: 同志社大学烏丸キャンパス 志高館SK112教室
会場URL: http://global-studies.doshisha.ac.jp/access_map/access_map.html
連絡先:  joseijinkensensouアットgmail.com
登録団体:
パンフレット:

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詳細: 11:15~12:15  自由論題発表
「慰安婦」問題とマンガ:
小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論
報告者:倉橋 耕平さん(関西大学ほか)

12:15~13:30  ランチ休憩

13:30~17:30  シンポジウム
侵略戦争・植民地支配・ジェンダー:敗戦70年を考える
シンポジスト:長 志珠絵さん(神戸大学)
宮城 晴美さん(琉球大学)
吉見 義明さん(中央大学)


18:00~20:00  懇親会 会場未定
(懇親会費 会員/一般:\5.000-、学生/非正規労働者\2,000-)


○自由論題発表

報告者 倉橋 耕平さん(関西大学ほか)

タイトル 「慰安婦」問題とマンガ:小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論

報告要旨
「慰安婦」問題に対する保守言論がメディア上でどのように展開されたか。「慰安婦」問題に関わる言説は数多いが、メディア研究は非常に少ない。本稿はこの問いと状況に対して、「慰安婦」問題を扱った小林よしのりの『新・ゴーマニズム宣言』を対象とする。従来の研究では、同作品の内容批判、文法分析、読者分析を行ってきたが、この作品がおかれた「メディア」の文脈を検討してこなかった。しかし、メディア=器の違いが作品の社会的意味を変えるのならば、この視座から再度同作品と先行研究を検討する必要がある。
分析の結果次の知見が得られた。同作品は雑誌が展開する歴史修正主義のメディアキャンペーンに乗じて連載をし、マンガであるにもかかわらず、単行本を「書籍」として流通することで「話題書」としての地位を位置づけられることとなった。また、連載時と単行本とで読者投稿の掲載状況を変えることによって、すなわち、この二つの時間差のある媒体を用いて、それぞれ異なる読者に対して「アジール(対抗言論の自由空間・領域)」を提供したかのような印象を保つ仕組みを保有していることが析出された。

キーワード:「慰安婦」問題、メディア論、マンガ、歴史修正主義


〇2015年度シンポジウム

侵略戦争・植民地支配・ジェンダー
~~~敗戦70年を考える~~~

パネリスト

長志珠絵さん(神戸大学)

宮城晴美さん(琉球大学)

吉見義明さん(中央大学)




要旨

日本の敗戦から70年を迎えた今年2015年、立憲主義、民主主義、そして平和主義が安倍政権下で破壊され、また辺野古と東村高江の米軍基地建設問題では沖縄の人びとの民意が踏みにじられています。米軍基地建建設強行に象徴されるように、多くの矛盾を孕みつつもなんとか維持されていた理念としての立憲民主主義が、安倍晋三首相の歪んだ歴史認識と政治信条によって崩壊の危機に晒されています。

 立憲民主主義が日本社会に本当に根づいているのか否かを測るバロメーターとして、ジェンダー平等がどれほど達成されているか、そして、戦争や暴力を許さない政治文化がどれほど浸透しているかが挙げられるでしょう。そうであれば、わたしたちの学会の中心的テーマの一つである日本軍「慰安婦」問題にいかに日本社会や政治が対応してきたかを振り返ることは、敗戦後の立憲民主主義の実態を批判的に考えることと密接に関係しています。

 敗戦後70年である今年が、日本における立憲民主主義の危機の年であると同時に、日本軍「慰安婦」問題を解決しようとする運動に対してこれまでにない厳しい攻撃が続けられた年であることは、決して偶然ではありません。

 「戦後」70年の歩みとはなんだったのか。安倍首相が頑なに否定しようとする植民地支配と侵略への責任と謝罪の問題にどのように取り組むか。1991年金学順さんの告発以降大きく進展した日本軍「慰安婦」問題をめぐる歴史研究、日本軍「慰安婦」問題解決に向けた市民の運動、平和と脱軍事化を求める国際連帯などを通じて、何度もわたしたち市民は問い返さなければならないでしょう。

 そこで、そうしたわたしたちの問題意識に相応しいパネリスト三人を2015年度大会にお迎えして、日本軍「慰安婦」問題、植民地支配と侵略の問題を中心に、じっくりと日本社会・日本政治、また東アジアの政治について議論したいと考えます。