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NPO法人参画プラネット☆つながれっとシアター&トーク『みつけもの』

2012.11.01 Thu

10月の市民交流事業は、つながれっとシアター&トーク『みつけもの』。この映画は、愛知淑徳大学の学生たちが町おこしを目的として、ゼミで製作した作品です。ゼミの担当教官で、この映画の監督でもある石丸みどりさんをお迎えし、映画の舞台である恵那市岩村町や女城主について、また映画製作にまつわるお話などをうかがいました。

石丸さんはコミュニケーション・デザイナー。これは、グラフィック・デザインを通して人と人をつなぐ仕事だそうです。大学では、グラフィック・デザインや地域デザインを学ぶゼミを担当されていますが、今回の『みつけもの』製作は、岩村町の町おこしがそのきっかけとなっています。町おこしの依頼を受けて、岩村町について調べていくうちに、歴史上の人物である岩村城の女城主がクローズアップされ、その生き方をテーマにした映画作りへとつながりました。

岩村城の女城主は、織田信長の叔母であるお直の方。彼女は絶世の美女だったそうです。三度目の政略結婚で岩村城の遠山景任のもとへ嫁ぎます。夫の病死の後は、実家へ戻る道を選ばず、夫に代わって城主となり岩村の地を治めました。その後、武田家の家臣秋山信友に攻められ、半年間籠城。信長からの援軍を得られないまま、領民や家臣の命を救うために開城に応じます。驚くべきことに、その武将信友との婚姻という最も屈辱的な条件をも受け入れたのでした。信友とは睦まじく暮らしましたが、最期は信長への反逆のかどで罰せられ、夫婦ともに逆磔の刑で絶命します。女性が政略結婚の道具として使われる時代に、自分の生き方を問い、信念をもって壮絶な生き方を全うした女性だったのです。

『みつけもの』では、主人公の女子大生が女城主について調べていく過程で、その生きざまに打たれ、自分自身の進路についても再考していくというストーリーです。最後まで信念を貫いたお直の方の生き方は、現代の私たちにも届く、強いメッセージ性にあふれています。
映画製作のための調査のなかで、石丸さんが発見した歴史的新事実も描かれています。それが何かは映画を観てのお楽しみです。

『みつけもの』は、学生たちがキャストや裏方を務め、撮影時は岩村町に住みこんで町の人たちの協力を得ながら作品作りをしたそうです。最初は乗り気でなかった町の人たちも、学生たちの熱意にだんだん押されていったとか。城下町の趣のある風景が映し出され、自然の豊かな鄙びた町の魅力に溢れています。

映画上映の後は、「岩村町観光ナビゲータ―」でもある石丸さんが、鎧兜を着た女城主をイメージして、デザインした衣装で登場です。一瞬何が起きたの?と皆さんびっくり。参加者の方々も一緒に楽しくカメラにおさまりました。
当日は、岩村出身の80代の方や、岩村高校に通っていたという方など、岩村町に縁のある方々にもご参加いただき、懐かしい思い出をたくさん語ってくださいました。「女城主」と聞くと、お酒の銘柄としか浮かばなかった私ですが、この映画で初めてお直の方の生きざまを知り、近いうちに岩村町を訪ねてその空気に触れたくなりました。 (塚田 恵)

『みつけもの』ホームページ:http://hot-iwamura.com/mitukemono/  

カテゴリー:参画プラネット

タグ:映画