本書は2022年夏、200人超規模で開催された〈ジェンダー法政策研究所〉公開シンポジウムを書籍化したものです。国民の過半数がすでに賛成している「選択的夫婦別姓」は、なぜいまだに実現しないのかを研究者・経営者・アクティビストの各界のオピニオンリーダーが多角的にわかりやすく解説。氏が選べないことで生じる生活上の「いきづらさ」から、なぜ世論とかけはなれた政治が行われているのかという問いまで、幅広く「選択的夫婦別姓」を/から考えます。
ジェンダー法政策研究所ウェブサイト(https://www.gelepoc.org/)もあわせてぜひご覧ください。

「選択的夫婦別姓を阻むものは何か
この国のジェンダー平等は、なぜ進まないのか
世論調査ですでに国民の過半数が賛成している「選択的夫婦別姓制度」。生き方の選択肢を増やすこの制度の実現は、一体何に阻まれているのか――現在の法制度の問題点をはじめ、各政党の最新動向、統一教会問題であらわとなりつつある自民党政権の「価値観」まで、ジェンダーの視点でいまの日本政治を総合的に検証。
日々の生活から政治のことまで、「選択的夫婦別姓制度」を横断的に考える」

●目次●
第一部 選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか
「企画趣旨」……糠塚康江
「当事者からの問題提起 ジェンダー平等を阻むバックラッシュ」……井田奈穂
「夫婦同姓強制と闘うために 理論編 個人の尊重と夫婦同等の権利」……二宮周平
「夫婦同姓強制と闘うために 裁判外闘争 落選運動『ヤシノミ作戦』」……青野慶久

第二部 参議院議員選挙結果から展望する日本政治の課題
「企画趣旨 二〇二二年参議院議員通常選挙公約・結果についてのまとめ」……糠塚康江
「参院選からみる日本政治とジェンダー平等政策の現状」……中北浩爾
「対談 中北浩爾 × 大山礼子」

第三部 地方議会の声を国会に届けよう
「女性差別撤廃条約実現アクションがめざしているもの」……浅倉むつ子
「地方議会の声を国会に──大阪府内全議会で意見書採択」……石田絹子・西村かつみ

補論
「仙台弁護士会講演会 二〇二二年一一月二六日 変わりゆく家族像──憲法学の視点から、選択的夫婦別姓と同性婚の実現をめざして」……辻村みよ子
付録
「家族の法制に関する世論調査」令和三年版の質問内容変更に関する野田・男女共同参画担当大臣答弁

◆書誌データ
書名 :選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか――日本のジェンダー平等と政治
編者 :ジェンダー法政策研究所・辻村みよ子・糠塚康江・大山礼子
頁数 :208頁
刊行日:2022/12/20
出版社:花伝社
定価 :1870円(税込)

選択的夫婦別姓は、なぜ実現しないのか?:日本のジェンダー平等と政治

著者:ジェンダー法政策研究所

花伝社( 2022/12/20 )